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第一王子のロイヤルサバイブ 乙女ゲーは情報過多  作者: まるいのあっと


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35/37

◎不夜城 真夜中に会議は踊る⑥ あひる隊も〈サバイバル〉

お付き合い頂きありがとうございます

アイン殿下、10歳にして乙女ゲーム始まる前にバトルモード突入しそうです。

このままバクってけば乙女ゲーム回避?

…腑腐腐、甘いな

何処かから怪しいデジタル音が…


相変わらず行間空いてますが、行間までお楽しみください。

 ◎踊り疲れたお風呂アヒルは

  ぬいの海で溺れていた③

  


 手を伸ばしたかった。

 抱きしめて違うといいたかった。

 

 それを子供に押し付けた俺たち大人に殿下を慰める都合のいい掌はなかった。

 

 ていん。


 ていーん ていん。

 

 何か〈ていん ていん〉と、反響のいい床を跳ねる音がする。

 

 それも複数?

 敵意はない…て、何も考えてないのが跳ねてる?

 振り向くと、マジシャンのように立ち上がり、ジャケットの片側を開いているトビアス君がいた。

 

 ジャケットの内側から握りこぶし大の()()が幾つも飛び出し、跳ねている?

 

 ていーん ていん ていん。

 

 この世界にはない、()()の丸く握りやすいフォルムにデフォルメされた顔とお情けのように付いたまるい手足…。

 

 ていん ていん。

 

 白い髪に眼帯、憮然とした顔に赤い眼…アイン殿下?

 

 ていんていーん。

 

 ぼやっとした顔のアイン殿下。

 にやりと悪い顔のアイン殿下。

 

 ていん ていん ていん。

 

 銀の眼のツヴァイ殿下もいた。

 目隠れツヴァイ殿下。

 悪だくみツヴァイ殿下。

 

 中にはアイン殿下、ツヴぁ殿下で一緒に跳んでいるものもいる。


 楽しそう…仲良いな。

 

 ていん ていん ていん…。

 

 「あひる隊もいます」

 

 ジャケットのもう片方を開くと、ぼてぼてっと今までの軽やかな音と違うブービー音のような音で黄色いものが幾つも落ちる。

 

 …前世で見た…ホントにお風呂あひる隊!?

 

 といいつつ、ナニかキャラクターのようなあひる隊?

 あひるは8匹いた。

 

 一兄(いちあに)二兄(にあに)に似た髪型のあひるとか… これは…俺か! 兄弟全員いるよ? 全員あひる!

 捕まえようとするとスイスイと泳ぐように移動する。

 どんくさい一兄(いちあに)のあひるが素早くて笑う!

 ちょっと感動してる間に小さい殿下方達はていんていんと大きい殿下方の方に寄っていった。

 

 ていんていん、一斉に頭突き。


 ぽふん、ポプン、ぽふふん。

 アレはジャレている?

 

 「きゃわぁわああ~~!」

 変な雄叫びを上げるツヴァイ殿下、殿下を抱きしめていた腕を解くと二人の隙間に小さいツヴァイ殿下とアイン殿下がムリムリと入り込む。

 大きい殿下&小さい殿下方沢山と、大きい殿下達の両腕に抱えきれない程、もちもちになりながら混乱していた。

 

 混乱する殿下方、可愛い。

 殿下方の混乱で先程の拒絶を含んだ空気が柔らかくなっている。

 ああやって遊んだことないよな、殿下方って。

 

 尊い!

 

 四六時中側にいる護衛騎士共も見た事ないレアな殿下方を皆で拝んでいたらぼそりと宰相がつぶやいた。

 「子供可愛教か! 」

 可愛いです。なにか?

 仲間に入りますかと聞こうとしたら、宰相、もう殿下方に手を合わせていた。

 すでに信者入りしてた(笑)

 

 「シュピーゲルング キント〈Kinder〉商会の双子がアイン殿下の即位記念に作ろとしている記念ぬいですよ 握るともちもちしているので仮に〈もちぬい〉と呼んでいます」

 

 早っ! まだ王太子候補すら決まっていないのに! シュピーゲルング キント〈Kinder〉商会の双子、恐るべし! 

 「コレは販売会議用の試作品です」

 

 「それってシュピーゲルング商会はアイン殿下の御即位を支持すると?」

 前世のヤンキーのようにかがみ込み、なごやかに様変わりした修羅場の様子を観ていた一兄(いちあに)が尋ねる。

 一兄(いちあに)、一応乙女受けする美形なんすよ?

 カチコミ前のヒトみたいに頭掻いたりしないで!

 二兄(にあに)は同じ様にかがみ込んで、ひょいひょいとチビ共をつかんではジャグリングのように回している。

 大道芸人で食っていけるよ、流石剣鬼ぷぷぷ…。

 

 「それは僕にはわかりません このぬいの製作は妹で妹と商会での話し合いになっていますので」

 トビアス君は笑って護摩化し。

 商会の次男坊は俺ら兄弟から眼をそらす。


 一兄(いちあに)はふうんという顔でチビに混じっている黄色のお風呂あひるを捕まえようととして失敗した。

 一兄(いちあに)の運動神経ではムリじゃね?

 地味に凹んでいる。

 それを見ていた二兄(にあに)がひょいと近場の俺に似たあひるを捕まえる。

 素早い……。

 「そちらはアヒル隊です、お風呂で遊ぶおもちゃですがミネルバ辺境伯夫人にお気に召していただきまして、子供達を模したあひる隊を御注文頂きました、その試作品です」

 母上、なんであひる隊?


 「これ、よんがモデルだろう」

 四番目の子供なので〈よん〉…いつまでそのあだ名で呼ばれるのだろう。

 髪型が同じデザイン…でも目が黒茶色、髪色も5年前の色。


 ははは…そう言えば五年位家帰ってないな。


 二兄(にあに)、あひるのケツをつかんでむぎゅっとすると、掴まれたあひるは〈グアー〉と断末魔のような悲鳴をあげた…うわぁー何? なんなの いじめ?。

 それっと二兄、 ぽいっと俺の方にあひるを投げる…ぐわ? ぐわわ?

 「ぐわ、ぐわぐわー。」

 

 「会話できるのか?」

 一兄(いちあに)が呆れている。

 「こちら辺境伯夫人監修の特別仕様です」

 母ちゃん……。

 「帰ってこない、顔見世にもこない息子達の代わりに食堂の席に座らせたいそうですよ」

 トビアス君ちらりと俺らを見る。

 すまん母上。

 兄弟3人で凹んでいるとアイン殿下が俺とあひるを見ていた。


 殿下の眼が先程の硬質な瞳から元に戻っている。

 何か、うずっとした表情が見える、アヒル隊のおかげで戻った? すげえあひる隊。

 で、アイン殿下、凄いガン見してる()()欲しいのでしょうか?


 ケツを掴んで殿下の方、ぐわわーと鳴かせてみる。

 何故かアイン殿下より周りにいるチビ達が大興奮でピョンピョン飛んでいる。

 おお、受けている 受けてる。


 「このあひるとチビアイン殿下とツヴァイ殿下セットで、いい値で売って」

 ピッと指2本に挟んでギルドカードを出した。

 「Aランカー冒険者の本気を見せてやる」

 金カードの本気。

 金ならあるぞ? 冒険者時代の稼ぎに護衛騎士の給料、深夜勤務で使う時間が無くてギルド貯金の肥やしになってる(笑)。

 

 「いや、Aランカーってお前アイン殿下の護衛騎士だろ!」

 バリエが慌てる。

 はい、騎士団ブッチして冒険者やってた前科持ちです。

 アイン殿下いなかったら直ぐブッチします。

 そして

 「さっき懲戒免職になりました」(笑)

 「ついでに王都追放です」

 嗤えない。

 

 「ソレは一時保留で」

 二兄(にあに)の止めも入った。

 俺のギルドカード見てうーんと首をかしげるトビアス君。

 「僕は現金しか取り扱わないです」

 キャッシュレスじゃ無いのか。

 

 「とりあえず、取り込み終わったらこちらで会議に参加してもらえないかな」

 はい?

 「にゃんとも楽しそうな状態にゃん」

 おい?


 いつの間にか開いた扉から猫と南のエリアス氏が俺たちを呼びに来ていた。

 なんかげんなりしている。


 忘れてた 会議。

 

 「俺とトビアス君、肉食べてないんですが…」

 こちらも負けずにげんなり。

 会議場に微かに薫る肉の残香がつらいんすが。


 「いないお前らが悪いだろ」

 言い方!

 肉は別室に騎士達の分と一緒に用意されたらしい。

 騎士達も肉待ちでしたか、ご苦労様です。


 チビとあひるは…と気がつくと、トビアス君の懐に収納されていた。

 素早い。

 これは空間収納持ってるな? 俺も欲しい。

 

 でも、「猫、後で尋問な! 」

 にゃ? んとかいう顔してるけど終わったら覚えてろ。


 仕方なく控えの間を出て配置につく。

 

 

 円形会議場 中央正面は剣を掲げる目隠しされた女神 正義(ジャスティス)と天秤を咥える鷹と稲妻…金色。

 〈天には星 地には花 すべて世は事もなし〉

 女神様は相変わらず正義を指し示す。

  あの事件のあとに読むと意味深。

 

 女神の天秤のレリーフの下には前国王陛下と王弟が鎮座益しましておられる。

 後ろにずらりと白い制服が眩しい第一騎士団。

 ニコライ閣下、若干不機嫌、肉食べたのに?

 陛下の前にはうず高く積まれた書類の山がみっつ。


 白い騎士団服のこの場で一番偉いのは副隊長。

 アイン殿下達を護りの外に外した張本人。


 少しメガネをずらした隙間から睨む。

 俺の眼の色は魔道具のメガネ越しだと黒茶だか、今の色は金赤。

 いつの間にか色代わりした〈魔物の色〉。


 睨まれた位では微動だにしないか 流石腐っても第一騎士団。

 

 「アイン殿下は東の席、ツヴァイ殿下は南の席へ」

 二兄の騎士団統括局副長はさりげなく南と東の騎士達へ指示する。

 南のシュヴェールトヴァール家の騎士6人、座るエリアス卿とツヴァイ殿下の後ろに配置。

 東のミネルバ家、アイン殿下の後ろに俺たち殿下の護衛騎士3人、一兄、パウル レオン ミネルバの後ろには二兄、ホーク ゲイガン ミネルバが立つ。

 宰相は東と中央の間の後ろに何もレリーフのない場所に座り、アイルとトビアス ベルトラム氏は二兄の一つ席を置いた隣に座った。


 ニコライ陛下の元々悪いご機嫌が殿下方の配置を見て急速冷凍。

 氷魔法? 魔力高いとご機嫌悪さが魔力を動かして周辺を冷やしたり熱したりするそうで…寒っ!

 シャラと音がした。

 音がする所から空中に雪の結晶が現れ、ふわりと消える。

 会議場、円卓を中心に幾つも花が咲く様にシャラシャラと結晶が咲き、消えていく。


 丁度、東の辺境伯家の席は王族席の正面。

 真っ直ぐ前を見るアイン殿下はニコラス殿下と対峙する形。

 横のアイルがワクワクする眼でアイン殿下を見ている。

 

 …コレ、もしかしてアイン殿下の魔眼の力?

 ニコラス殿下の威圧を中和してる?


 雪の結晶と凛と前を向くアイン殿下。

 背後は梟と知恵の女神、ミネルヴァのレリーフ。


 格好いいなぁ…オタ心を誘う 見惚れる。

 オラ、ワクワクするよ。


 …ワクワクしてたら二兄に帯剣で膝裏小突かれた。


 ヒザカックン!


 コケそうになった俺の襟首を捕まえる二兄。

 いや、二兄 コレ、ヘマした舎弟に一発入れようとしている若頭の図……。

 「ウチの若いのが氷で滑ったらしい すまない」

 払うように手を離す。

 兄貴、アンタが今俺にヒザカックンしたんだよな?


 場が白けた。


 「第一と第二王子は王族席へ」

 オペル公爵が椅子から立ち上がって誘う。

 

 沈黙。

 

 王家には悪いがその席にアイン殿下達は座らせない。

 王位がどうのということではなく。

 あんたらが信じられないからだよ。


 動かない、沈黙したままの俺らの言いたい事を理解したのか、ニコラス陛下が第一騎士団に下がるよう指示する。

 

 一礼して控えの間に下がる第一騎士団。


 こう言うトコ、スゲぇよな第一。

 〈主君の命は絶対〉


 俺らだったら命令されても絶対下がらない。

 

 「やっと会議が始められるな」

 オペル公爵の着席を待って、重々しく会議の口火を切ったのはニコライ閣下。

 凄い不服そう。

 

 時は深夜を回る。

 夜の王子の時間。

 


 天井では神々が会議場の人々を睥睨している。


 天井と天丼…似てるよな。


 天を見上げていた俺の不穏な考えを察知した二兄がヒザカックン第二波を画策していたのを俺は気づきもしなかった。

 


天丼、天井…。

天丼といえば小エビちゃんはアイン殿下の衣装部屋で完成した喪服のかかったトルソーの足元でもちぬいに埋もれて昇天しかけていた。

もちぬいは双子が持っていた、おためしにぎにぎぬい…

小エビちゃんの爆睡する寸前の雄叫び。

「我が人生に一辺の悔いなし!」にぎにぎ……。

小エビちゃん、もしや転生者…と言う設定は無いです。


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