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呪われし黒竜

完全に怒り狂った《エイルドラゴン》が駄々をこねる子供のように暴れ回る。緑色だった瞳が真っ赤に染まり、まるで癪気を纏ったかのように全身に赤い稲妻が走る。



《ノヴァブレス》

〈高い密度であらゆる気質を振動させ、六属性全てのダメージを与える。〉



《エイルドラゴン》の口から赤の稲妻を纏う漆黒の破壊光線のような極太の光線が放たれる。その衝撃で地面は抉れ、風圧で近くの木が根本から倒れる。私たちも台風のような強い風に煽られて身動きがとれなかった。



確実に殺しに来ている。さっきまでの動きが嘘のように《エイルドラゴン》の動きは激しく、かつ粗暴になっていく。



《諞、諤》

〈譛?謔ェ縺ョ蜃コ譚・莠九↓繧医▲縺ヲ謌代r螟ア縺」縺溯??′髯・繧狗憾諷狗焚蟶ク縲ゅb縺ッ繧?℃蜴サ謌サ繧九%縺ィ縺ッ蜿カ繧上↑縺??〉



[デッドレコード]の解説がバグり、あの進化先以来のノイズと文字化けが私の頭を揺さぶってきた。頼んでもないのにくる予測といえば……なにかのスキルか?



「ガラァァァァァァァァァァァァァ!!!」


《エイルドラゴン》はまだ《ノヴァブレス》で周囲を凪ぎ払っているだけで、何か目新しいスキルを使う様子は見えない。とすると状態異常か何かなのだろうか。



[《???》を習得していないため不正確な翻訳になります。]



私の読み取りに応じたのか、[デッドレコード]がここにきて何故か反応した。これまで文字化けについてはなにも触れてこなかった筈なのにいきなりなんだとは思ったが、今は情報のひとつひとつが必要不可欠だ、背に腹は変えられない。よろしく頼む。



《憤?》

〈??悪の出来事によって我を失った?????陥る状態異常。もは????去戻ることは叶わな???〉



まだまだノイズ混じりだが、状態異常であることを知れただけで充分だ。恐らくあのドラゴンには《憤怒》の状態異常が着いている。私の状態は《通常》で、《憤怒》もまた《疲労》とか《絶望》とかあった誼みだろう。



「ガァァァァァ!!!」


「ホロロッ!!」


スバルが《ノヴァブレス》を必死に回避しながら私に何かを訴えかけているようだった。「正気に戻れ」と言った感じか、「やるしかない」とでも言いたいのか……。



とりあえず《エイルドラゴン》の姿を隅々まで確認する。


エイルドラゴンの骨格は肉食恐竜のようで、後ろ足と比べてかなり小さい前足を持っている。全身は漆黒の羽毛に覆われており、その隙間からは羽毛と同じ黒の鱗が覗いている。


決して図体は可愛くないが顔は愛らしく、ドラゴンというよりは獣感がする見た目だ。


細長い尻尾や後頭部のエラが伸びていて、全体的なシルエットはかなり細身に見える。だがそれでも周囲の木……五メートルくらいの大きさの二足歩行のドラゴンという感じだ。因みに翼はない。




次に《エイルドラゴン》の解説をもう一度頼む。



《エイルドラゴン》ランクC+

〈暗闇を好み、視力が衰えている代わりに聴力と嗅覚に優れた漆黒のドラゴン。邪悪な見た目に反して非常に温厚かつ無害であるが、産卵期には一転して凶暴になる。


《エイルドラゴン》の卵は美味であり、食用のみならずあらゆる方面で非常に価値のあるものであるが、それを取った瞬間全てをねじ伏せようと黒竜は暴れ狂い、永遠に盗人を追い詰めるために地を駆ける。〉



……特にこれといったスキルや属性の傾向については書いてなかったな。あの意味不明なパンジャンドラムですら属性のことについて書いてあったのに、見かけ通りだからって手抜きしやがったんだろうか。


それでもさっきのスキルと文字化けした状態異常、それらを合わせると《即死と呪いを操る黒竜》というのがぴったりマッチする気がする。



『グオオオオオオオオオオオオッ!!!』



《繝?せ繝壹Ν》


ノイズの混じったスキルの通知が来て構えると、ちょうど《エイルドラゴン》が全身に稲妻を纏わせていたところだった。



ま……また呪いのスキルか?



正直不死者の私に即死や呪いは効かないが、あれは「そんなこと知ったことか」と憂さ晴らしに呪いをばら蒔くつもりでいるらしい。ヤツは脚で地面を踏み鳴らし咆哮する。



「ァ“ァ“ァ“ァ“ァ“ァ“ァ“ァ“ァ“ァ“!!」


《エイルドラゴン》を中心に暗雲が立ち込めるかのように、黒い煙が視界を覆った。その煙が風を纏ったかの如く勢いよく襲いかかり、私の身体を軽々と吹き飛ばした。


「きゃあっ……!!」


「ぐふ……!!」


私の後ろにいたカトレアとナギアも例外なく吹き飛ばされていった。ここに来て風のスキル……と思ったが、どうやら違うようだ。



(さ……寒いっ。)


「────うっ……」


「痛い!痛い痛い痛いっ!!」



私の身体が内側から冷やされたかのように固まり、脚が上手く動かない。



────────

名称.《レン》

種族.《ゲノムシーカー》

ランクD+

状態.《悪寒・呪縛》

Hexagram.《6》

ATK.53

DEF.78

BMP.44

SPD.46

────────


私のステータスの状態異常を表すところに《悪寒・呪縛》とあった。恐らくはあの文字化けした意味不明なスキルが原因なのだろう……。



「カトレアァァァァァ!!助けろぉぉぉぉ!何も見えない!何も見えねえんだよおおおお!」



後ろからナギアの叫び声が響く。ナギアの顔は左半分が焼け爛れたかのようになっていて、まるでカトレアを探しているかのように首を振るいまくっていた。


カトレアは反応がないというか意識がない。ゆっくりと近づいて確認したところ、脈はあるため生きていることがわかった。


どうやら私達三人それぞれが全く違う状態異常にかかっていたらしい。私が《悪寒》、カトレアが《昏睡》か。ナギアは《火傷》だろうがその範囲の狭さからして右目に《失明》も入っているだろう。




なんなんだあのスキルは……


ユニーク1000突破ありがとうございます(。・ω・。)

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