第六話
ルシアが学校に行くことを断りきれずに承諾してしまうハヤト。
ハヤトは戸惑いながらもルシアと一緒に学校に行く決意をするのだった。
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ルシアのほうに目をやるとなんだか楽しそうに歩いている。
うう、これじゃやっぱりナシなんてことにはできない。
本当どうしよう。
ちなみにルシアは妹の服を借りている。
さすがに異世界の派手な服装では目立ちすぎるのでそうしたのだ。
それでもサイズが少し小さめだし、学生服の俺と並んで歩いているわけだから目立つことには変わりはない。
特に胸のあたりが窮屈そうだ。
そんなことを全く気にする様子もなくルシアはなぜか上機嫌だ。
そんなに学校に行ってみたかったのだろうか。
相変わらず不思議な王女様である。
しかし、せめてルシアも魔法が使えれば良かったのにな。
そうすれば俺がこんな思い悩むこともなく魔法でさっと解決だ。
そんな都合のいい魔法があるのかは知らないけども。
「どうかしましたか、勇者様。さきほどから下を向いてなにやら独り言を呟いていらっしゃますが」
「あ、そうだ。とりあえずその勇者様ってのはナシで。普通にハヤトって呼んでくれ」
うん、とりあえず勇者様なんて呼ばれてたら真っ先に疑われる。
仮に異世界云々はごまかせたとしても俺もルシアも白い目で見られることは間違いない。
「わかりました、ハヤト様ですね」
様もいらないからー!
相変わらず天然な王女様だぜ。
「あと、そうだな。異世界の話は俺以外にはしないように。この世界ではいろいろと問題になるから」
「わかりました、気を付けます」
およ、今度はやけに飲み込みが早いな。
今ので通じたのだろうか。ちょっと心配。
そうこうしてるうちにもう学校に着いてしまった。
こうなりゃヤケだ。なるようにしかならないだろう。
とりあえず職員室にでも行って話だけは通さないとな。
不審者がうろついてたらマジ通報もんだから。
「とりあえず職員室に行くぞ、ルシアのことを許可とらないといけないからな」
「ショクインシツ? 許可がいるのですね。すみません、私迷惑でしたでしょうか」
「いやいや、俺が自分から言い出したことだから。全然気にしないでくれ。まあなんとかなるさ」
ルシアが俺に気を使ってくれてる。
そのちょっと不安げな顔がなんとも可愛らしい。
異世界のときの勇ましい顔もなかなか絵になったけどな。
職員室に向かう途中で、後ろから誰かが声をかけてきた。
「おう、ハヤト。女の子と一緒なんて珍しいな、ついに彼女ができたのか? あ、昨日告白するっていってたやつか?」
「なんだユウジか。悪い、今忙しいんだ、後にしてくれ」
まずい、今コイツに捕まるわけにはいかない。
なんかゴチャゴチャいってるが今それどころではないのだ。
俺はユウジを振り切るように足早に職員室へと向かっていった。
~登場人物紹介~
名前:ユウジ
職業:高校生
年齢:16
ハヤトと同じクラスでありハヤトの親友でもある。
ハヤトが無断欠席した際は本気で心配していたらしい。
実はハヤトの妹が好き。




