第一話
高校2年生のハヤトは、勇者として異世界を救ったことがある。
ハヤト自身、今でも信じられないことだった。
異世界で行動することの大切さを知った。
だから、ずっと好きだった同級生の女の子に告白してしまうのだった。
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「アカネさん、好きです! ぼ、僕と付き合ってください!」
「ごめん、無理」
一瞬顔をひきつらせたアカネはそう告げるとスタスタと教室のほうへと向かって歩いて行ってしまった。
ちょ、なんでよ。てか即答かよ。
そしてすぐさま、言い知れぬ後悔が俺を襲う。
うわぁああ、告白るんじゃなかったあああ。
俺にとって、人生初の告白だった。
異世界での冒険を通して勇気をもらい、俺もやればできる子。
そんな風に思っていた時期があったというわけです。
しかし突きつけられる現実。
取り戻せない過去。
「こ、これが現実か……現実なのかあああ!」
く、くぅうう、魔王よりも手ごわいラスボスがいたとは思いもしなかったぜ。
俺の楽しい高校生活が音をたてて壊れてゆく気がした。
にしても、無理ってなんだよな。
断るにしてももっと傷つかないような言い方とかあるんじゃねーか?
そうだな、うん。アカネはきっと性格が悪いんだ。
振られてよかったんだ、ハハハー。
などと自分に言い聞かせながら、帰路に就く。
そして、家に帰ると妹が何か言っていたが耳に入らない。
すぐさま2階にある自室に駆け込み、ドアをバタンと閉める。
そのままベッドの上に倒れこむと、またさっきの出来事が頭から離れないでふわふわと駆け巡っていた。
くそぅ、早く忘れてぇ……。
異世界でさまざまな体験をした俺が、振られたくらいでここまで落ち込むなんて自分でも思わなかった。
「……ッ!…………ッ!」
妹が何か叫んでる。
でも今は一人にしといてくれ。
俺をそっとしておいてくれえええ。
枕に顔をうずめ、溢れ出る涙をこらえきれなくなっていた。
「お兄ちゃん、お客さんだってばぁ!」
ガタッ、と部屋の扉を開けて妹が入ってきた。
「あれ? 泣いてるのお兄ちゃん」
「え、あ、いや、泣いてなんかねえよ、ちょっと目にゴミが入っただけだ……ハハハ」
やべぇ、こんな恥ずかしいところ妹に見られたくなかった。
なにより、こんなことがバレたらまた笑いながらネタにされるに決まってる。
振られた上に笑いものにされるなんてとてもじゃないが耐えられない。
「っと、お兄ちゃん、お客さんだよ。 なんか変な女の子だったけど」
「ほう、俺に客とは珍しいな、誰だろ?」
目をこすりながら、下の階へと降りていく。
心当たりが全くない、アカネが心配してきてくれたとか?
んなわけねーよな、無理なんてぶっきらぼうに言い放った後でそんなことするわけが……。
「お久しぶりです、勇者様」
俺の目に飛び込んできたのは、かつて異世界で共に冒険をした王女ルシアの姿だった。
~登場人物紹介~
名前:ハヤト
職業:高校生(元勇者)
年齢:16
平凡などこにでもいる高校生。
異世界で勇者として平和をもたらしたことがある。
同級生のアカネが好きだったがこっぴどく振られてしまう。
名前:ユズ
職業:中学生
年齢:14
ツンデレなハヤトの妹。
ハヤトのことが大好きでなにかにつけてハヤトにちょっかいをだす。
この世界で、ハヤトが勇者として異世界にいたことを知っている唯一の人物。ただ信じているわけではなくハヤトの嘘だと思っている。




