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俺に青春は向いていない  作者: 真面堂 九世
第5章

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2

 優等生は顔を引きつらせて、男二人組に言い寄られていた。

 ナンパか……。

 まぁ、優等生ほどの可愛さやスタイルの良さを見れば、下心のある男たちが寄ってきてもおかしくないか。


「悪い、待たせたな」


 俺が優等生に話しかけると、ナンパ野郎二人が、目一杯イキがってガンを飛ばしてくる。


「「あぁ? っ……!」」


 俺と目が合ったナンパ野郎二人は一瞬怯んだが、負けじと俺を睨みつけてくる。


「知り合いか?」


 聞かなくても分かることだが、念のため優等生に確認を取る。


「い、いえ。急に話しかけてこられて……」


 「困っています」というような表情を浮かべた。


「悪いな、そいつは今日、俺と買い物に来ているんだ。ナンパなら他のやつにしてくれ」

「ナニイッテンダ、テメェ」

「テメェ」

「ドコチュウダァ、コラァ?」

「コラァ?」


 ナンパ野郎二人は、真っ赤な顔で威嚇を続けるが、どう見てもガキの空威張りにしか見えない。

 ……どこちゅうだこらこら?

 …………あぁ、「どこ中だ?」か。

 って、まさかコイツら中学生か?


「中学? 中学なら、樽井中だけど?」

「えっ?」


 正直に出身中学を答えると、優等生が「いや、高校生でしょ」と言わんばかりに少し驚く。

 だが、中坊二人は俺に威嚇することと、優等生に対して、モテたいということしか頭にないみたいだ。


「ダル中かよ……。意気地なしばっかりの中学じゃねーかよ」


 中坊二人が肩をすくめた。


「二年前は教師も生徒も全員締め上げて、学校を支配していた悪魔みたいな人がいたみてーだけど、今はもうカスしかいねー学校じゃねーか」

「だな、ゴミしかいねー」

「……」

「……」


 え、そんな噂が広まっていたのか?

 そう思っていると、優等生からなにかを察した視線を感じた。

 たぶん、自己紹介の時に、陸斗が口を滑らせたことでも思い出したのだろう。


「おい、俺たちは今三年。お前は何年だ?」

「ナンネンダ?」

「俺? 今二年だけど?」


 クソしょうもないマウントを取ろうとする二人に、俺はもう一度、事実を告げた。


「おい、年下じゃねーかよ! 敬語使えよ! お前、舐めてんのか!?」

「ナメテンノカァ?」


 そこで、ずっと黙って見守っていた優等生が口を開く。


「もう。陰浦さん、遊んでいないで、本当のことをおっしゃってあげてください。ちょっとかわいそうになってきました」

「はぁ? どういうことだよ!?」

「ドウイウコトダヨ!?」


 自分たちが遊ばれていたことに気づき、中坊二人は顔を真っ赤にして激昂した。


「いいですかお二人とも。この方は今、高校二年生で、出身中学は樽井中学だったのです」

「「えっ?」」


 優等生から告げられた事実に、中坊二人が戸惑った。


「ほらぁ、陰浦さんが誤解されるようなことをおっしゃるから、戸惑っていらっしゃるではないですかぁ……」


 優等生が呆れ果てた。


「いや、俺は事実を言っただけだ。遊ぶつもりなんてないぞ。めんどくせーしな」

「え……アンタ、この人の名前をなんて言った?」


 中坊の一人が恐る恐る優等生に尋ねた。


「え? 陰浦さん……ですけど?」

「「かげ、うら……?」」


 中坊二人は顔を見合わせて、俺の名前をゆっくり口に出す。


「「今は、高二……!!」」


 優等生が口にした俺の情報で、中坊二人はなにかを察したようだ。


「「もしかして、あなたがあの陰浦 明様ですか!?」」


 ショッピングモールの吹き抜けに、中坊二人の絶叫が響き渡った。


「そうだけど、急になんだよ」

「あの! 俺たち、あなたに憧れているんです!」

「へぇーそうか。じゃあ俺たちは行くから、またな……」


 面倒ごとになりそうな予感がしたため、優等生が持っていた荷物を代わりに持ち、優等生と一緒にこの場を離れる。

 すると、中坊の一人が俺の腕を掴んできた。

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