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DOG RUN  作者: 鮫島あーろん
七・一七争乱篇
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29/30

死闘アクセラレーションⅢ

12-3.死闘アクセラレーションⅢ





一瞬が長く感じられた。




西日に輝く足の金属プロテクターは、処刑台のギロチンそのもの。




重力の自由落下を加速した絶対不可避の一撃。




「ウオオオオオオオオッ!!」




脳天目がけて、稲妻のような踵落としが、地上8階から2階の六代へ―—!




「ヒラシューッ!!」





「・・・遅いなあ」




六代の唇がめくれた。平秀は、空中で動きを止めた。




その両腕の二の腕に、針の触手が深々と突き刺さっていた。




「なっ・・・!こんな——」




「おわりにしよっか」




六代が手を上げたその瞬間、桜香と鎌瀬が同時に動いた。





「放せええええええッ!!」




桜香がぶっ放す桜の奔流に、鎌瀬が火を加える。




炎は桜の花びらを喰らいぐんぐん勢いを増し、桜と炎、生と死を内包した美しくも凄まじい業炎が六代に襲い掛かる。




「アツぅい!あつい!」




六代、とっさに念動力の防壁で炎を防ぐが、たぎる熱量までは防ぎきれずあまりの熱さに地を転げ回る。




「並木!」




隙を見て桜香が風を使って平秀を救い出す。苦痛に顔を歪める平秀から血がドクドク流れ出す。




「桜香——」




「バカ!あんたなんかまた無期限謹慎処分食らってればいいのよ!」




と言うと立ち上がった桜香、燃え上がる炎より激しい熱を眼に込めて、六代針と対峙する。




「私が倒す」




「俺様のこと、二度とかませ犬と呼べないようにしてやる」




鎌瀬も進み出る。




「良かったな、いい隊長と同僚に恵まれてよ」




犬飼が銃を抜く。




「誰も死なせません!」




千々石の黒い手が全員を守るように大きく覆いかぶさる。





「いっちょやろうぜ」




スミスが巨大な機関銃を構える。




「みんな、みんな、ぼじいいいい!ごろずうううううッ!!」




我を失った六代が凶暴な触手を一斉に放つ。




「桜花閃風(シャープネス)ッ!!」




暴風を1ミリ以下の線に圧縮、鋭い風の刃は桜吹雪を纏って唸りを上げると、黒々とした触手が滅多切りに寸断されていく。




「幻想力場を斬った!?」




「今だ!」




すかさず鎌瀬の炎の刃、機関銃の弾丸の群れがその間隙を縫って六代を狙い撃つ。




六代たまらず触手を壁の形に変形させ受け止める。が、力場が破られた動揺からか完全に防ぎきれず、よろけ、吹き飛ぶ。




「ここだッ!!」




犬飼が電子銃を構えた。




何の指示も合図も無かった。が、平秀は負傷した手で体を持ち上げ、犬飼に駆け寄り、その銃口の上下に人差し指と中指を添えた。




「行けええええ!!」




引き金を引く。




平秀の指を掠め、爆加速(アクセプロージョン)の加速力を受けた弾丸は音速の遥か彼方、一本の光の筋となり、六代の体を撃ち抜いた。




—Ⅳに続く―

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