第五話 さらに広がる新大阪、未来の計画
京都河原町を出発した特急列車は、静かに大阪方面へ向かっていた。
俺は窓の外を眺めながら、今日一日のことを思い返していた。
未来の新大阪。
阪急新大阪線。
淡路駅。
そして、2054年の京都。
「……濃すぎる一日だな。」
まさか自分が、28年後の世界で阪急に乗ることになるなんて。
しかも――
「新大阪から京都河原町まで直通って……。」
改めて考えてもすごい。
俺の知っている2026年では、そんな列車は存在しない。
それが2054年では、当たり前のように走っている。
そして何より気になるのが――
新大阪駅。
あの巨大な駅には、まだ何か秘密がありそうだった。
⸻
列車は淡路を通過する。
窓の外に巨大な淡路駅が見えた。
「……やっぱりデカいな。」
高架ホームを次々と列車が通過していく。
新大阪へ向かう阪急。
大阪梅田へ向かう列車。
京都方面へ向かう列車。
北千里方面へ向かう列車。
2054年の阪急は、まるで一つの巨大なネットワークになっている。
「俺の知ってる阪急と全然違う……。」
そう呟いたところで、列車は再び地下へ入った。
そしてしばらくすると――
「まもなく、新大阪。新大阪です。」
「……帰ってきた。」
⸻
新大阪駅に到着する。
列車を降り、ホームから上へ向かう。
改札を抜けると、相変わらず人が多い。
いや――
さっきより多く感じる。
「こんなに人いたっけ?」
俺は駅の中央へ向かった。
そこには巨大な案内板が設置されていた。
新大阪駅 構内案内
俺は改めて番線を確認する。
11・12番線。
なにわ筋線。
そして――
13~19番線。
「……ここは空いてるのか。」
さらに進む。
20~27番線。
東海道・山陽新幹線。
28~31番線。
北陸新幹線。
33~36番線。
リニア中央新幹線。
そして――
「……32番線は?」
まただった。
11、12。
13~19。
20~27。
28~31。
そして33~36。
32だけがない。
「やっぱり空いてる。」
俺は少し気になった。
でも、駅の番線が飛ぶことくらい珍しくない。
「まあ……そういうこともあるか。」
そう思って、その場を離れようとした。
その時だった。
「……ん?」
案内板の横に、小さな掲示板があることに気づいた。
近づいてみる。
そこには――
「新大阪駅改良計画」
と書かれていた。
「……これだ。」
京都から帰る途中に見たものと同じだ。
俺は掲示板をじっくり見る。
そこには、未来の新大阪駅についての計画が書かれていた。
駅設備の更新。
乗り換え動線の改善。
新たなコンコース。
そして――
「将来の鉄道ネットワーク拡張を見据えた空間確保」
「……空間確保?」
俺は首をかしげた。
「まだ何か作るってことか?」
今でも十分すぎるほど巨大なのに。
新幹線。
北陸新幹線。
リニア。
なにわ筋線。
阪急。
これだけの路線が集まっている。
それなのに――
まだ拡張する。
「新大阪、どこまでデカくなるんだよ……。」
思わず笑ってしまった。
⸻
さらに掲示板を見る。
すると、小さく番線について書かれていた。
「将来使用予定番線については、別途発表します。」
「……将来使用予定?」
俺はもう一度、駅の案内板を見る。
13~19番線。
そして32番線。
現在は空いている。
「……。」
俺はしばらく黙っていた。
「もしかして……。」
この空いている番線には、何か計画があるのだろうか。
でも、詳しいことは書かれていない。
「まあ、今は分からないか。」
そう思って掲示板から離れた。
しかし――
俺の頭の中には、一つの疑問が残った。
「未来の新大阪には、まだ何が増えるんだ?」
⸻
俺は駅のベンチに座った。
「疲れた……。」
今日は本当にいろいろありすぎた。
未来に来た。
新大阪を見た。
阪急に乗った。
淡路に行った。
京都にも行った。
そして帰ってきた。
「……そういえば。」
俺はふと気づいた。
まだ元の時代に帰る方法を何も探していない。
「……やば。」
鉄道に夢中になりすぎていた。
「俺、未来観光してる場合じゃないじゃん。」
自分で自分にツッコんだ。
でも――
未来の鉄道を見るのが楽しいのも事実だった。
「……もうちょっとだけ。」
俺はそう呟いた。
「もうちょっとだけ、この未来を見てから帰る方法を探そう。」
すると、駅の大型モニターにニュースが流れ始めた。
「新大阪駅、さらなる大規模改良へ――」
俺は顔を上げた。
「……また新大阪?」
画面には、まだ公開されていない計画図の一部が映っている。
しかし、その全貌は分からない。
そして画面の端に、一瞬だけ――
「阪急」
という文字が映った。
「…………阪急?」
俺は立ち上がった。
「まさか……。」
画面は次のニュースへ切り替わった。
俺はしばらく、その場から動けなかった。
2054年の新大阪。
そこには、まだ俺の知らない未来が隠されている。
そしてその未来に――
阪急が、再び関わろうとしていた。
第五話、読んでいただきありがとうございます!
今回は京都から再び新大阪へ戻ってきました!
第三話、第四話では阪急や京都を中心に描きましたが、今回は久しぶりに2054年の新大阪駅がメインです。
そして、番線を改めて整理してみました。
なにわ筋線、新幹線、北陸新幹線、リニア……。
「新大阪、デカすぎない?」
と思いながら書いてました(笑)
さらに今回、気になるものが出てきました。
「新大阪駅 改良計画」
しかも、まだ何か鉄道路線を増やす余地があるらしい……。
そして最後には、まさかの阪急電鉄の文字まで。
これは一体どういう意味なのか。
まだまだ謎だらけです。
今回は少し短めの第五話になりましたが、次回はその分――
めちゃくちゃボリューム出します。
第六話では、いよいよ2054年の新大阪駅を本格的に探索していきます!
果たして主人公は、新大阪駅に隠された未来の秘密を見つけられるのか?
次回もお楽しみに!




