↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブサイクと言ってきた相手と婚姻しました。  作者: 夏月 海桜
ポリーナ十六歳〜十七歳
86/131

じゅうよん。

「はい。その通りにございます」


 執事に昇格したその人は、表情を変えずに肯定した。聞き間違いでは無いということ。


「殆ど殿下との交流も無い私が? 抑々婚約者を皆さまが作らないのではなく作れないわけですが、そのことは分かっていらっしゃる上で仰っているわけですわよね? どなたがそのようなことを言い出したのです?」


 交流を殆どしていない私と殿下で仲良く年頃の男女の紹介など本気で出来ると思っているんですか、と執事を見る。それも折り込み済みのように態度はぶれない。でも、陛下が魔力持ちの子を増やしたいってことで私と殿下の婚約は決まった。だから結婚して子を産むまでが私の義務。

 だけど。

 陛下の思惑とは裏腹に、私たち世代の貴族の令息令嬢の婚約は進んでいない。成人している人たちもかなりの数は居るというのに。

 何故か。

 改めて魔力持ちを探してみると貴族に魔力持ちが多いとはいえ、魔力量が少ない令息令嬢ばかりだから。陛下が望む魔力持ちを増やせるのか、当の貴族家の方が甚だ疑問に感じてしまうほどの魔力量の令息令嬢しかいないから。

 というか、陛下も基準を設けないから余計に貴族家もどうしていいのか分からないんだと思う。それに貴族だからと言って魔力持ちが必ず生まれるわけじゃない。全く魔力を持たない者も多い。微々たる量でも魔力持ち、と堂々と言えるくらいには持たない者も居る。

 それを踏まえれば魔力持ち同士で結婚をする方がいい、という陛下の意向は貴族にとっては難題なのかもしれないわね。

 それ故に婚約に消極的になってしまっている。近年稀に見る消極さ。それを分かっていて、婚約をしていない年頃の男女を紹介して仲を取り持つパーティーを行う、と?

 確かに殿下の婚約者の座をあわよくば……と狙っていた令嬢たちも鳴りを顰めていますけれど。

 私との婚約の理由が王命であり魔力持ちを増やすこと、ですからね。魔力を持ってない、或いは微々たるものの魔力持ちの方では、私に成り代わることも出来ない、と歯噛みをして引き退るしか無かったのですものね。

 さておき。

 婚約していない男女の紹介がメインのパーティーではないけれどパーティー進行に組み込まれているわけでしょう? ちょっと王家、何をしているんです?


「婚約者を作れない状況に追い込んだのは父上だ。だから今日のパーティーでは父上の要望は置いておく事にして婚約者を作れる機会を与えよう、と私が考えたのだ」


 だんまりだった第一王子殿下が仰った。

 不敬だけど敢えて考える。

 ……お前か。お前が今回のことを企画したのか。

 そういえばパーティーのコンセプトも全て誕生日を迎える本人が決めるわけでしたね。つまりコレも殿下が企画したわけですよね、そうですよね。

 でも、ソレ、矛盾だって気づいてる? ねぇ気づいてる?

 私たちの婚約の意義を丸っと無視した企画を立ててるんだけど? 後に続かないからって私たちの婚約の意義を無かったことにする企画を立てるの?

 それなら私だって婚約解消したっていいじゃん。

 いや、無理だわー。私たちの婚約だけは王命だったわー。貴族の義務だと思って色々飲み込んでたけど、王命を出した陛下を今、心から恨んでます。

 とはいえ、確かに陛下の意向を気にしていたら婚約は進まない。結婚も進まない。結果的に子も生まれない。それならば意向は意向として、現実に目を向ける必要は有るわ。

 それは分かる。

 それは分かるけれど。

 私だけが損している気持ちになるのは何故でしょうね。そう考えてしまうのはダメなのかしら。

お読みいただきまして、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。