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君逝く朝に  作者: 杉山薫
第二幕 貴子と辰之助 第一章 日記帳
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第三話

 家に帰って日記帳をまじまじと見る。確かに結婚のプロポーズはされた。されたけど。コレって、どこまで具体的に書ける。取説の内容だと違法行為以外はOKらしい。


どこまで。

高校生がエッチ。

条例違反だから違法行為か!


じゃあ、どこまで?


あたしは日記帳を開く。


十一月二十日 橋本辰之助は登校直後に教室の教壇で野村貴子との婚約をクラスのみんなに二人で報告する。


記載内容に違法行為はない。

とりあえず辰之助より前に登校して彼の椅子にでも座っていればいいか。


 翌朝、辰之助は登校するなり、あたしの手を取り、教室の前にある教壇に二人で立つ。


「みんな聴いてくれ。オレは野村貴子と婚約をした。とりあえず報告をする」


おー!

こんな具体的な行為まで指定できるんだ!

これは逆に勝負どころまで温存しておくか!


 その翌日の土曜日十三時半ごろに辰之助が店に来た。


「アレ、どうしたの?」


学校休みなのになんで?


「ちょっとな。その前に日替わり定食」


なんだ⋯⋯。

ご飯食べに来ただけか。


「日替わり定食お待ちどうさま。ひょっとしてお目当ては日記帳?」


あたしは辰之助に探りを入れた。


 あたしの部屋の椅子に辰之助が腰掛けている。


ちょっとイタズラしてやるか。


あたしはベットに寝転んで辰之助をじっと上目遣いで見つめる。


疑ってる。

あたしが日記帳に何か書いたかどうか。


あたしは辰之助を見つめて、突然ベットから起きて彼の方に身体を寄せるようににじり寄る。


「ウッソぴょーん! 今日は日記帳に書いてないよ。びっくりした?」


あたしは日記帳を取り出した。


「あのさ、心臓に悪いから事前に何書いたのか教えろよ」


辰之助はそう言ってあたしの日記帳を取り上げて全ページ確認している。辰之助はしばらく黙って考え込む。


「どうしたの? 急に考え込んで」


あたしは辰之助の顔を覗き込んだ。


なんだろ。

なんか深刻な表情⋯⋯。

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