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第91話 もういいだろ?

 なんなんだよ、この出版社は。

 まともなものが一冊もないじゃねーか。さっき見つけたのは本当に奇跡だったってのかよ。

 危なそうな写真を見つけてはワナビの目に入らないよう体を使ってガードしているんだが、それでも完全に隠すのには無理がある。


「さっきの人、頭にパンツ被ってなかった?」


「あれは大人のギャグだ。もう流行ってないから真似すんなよ」


「ふーん。昔は変なのが流行ってたんだね」


 さっきから無茶な言い訳しかしてないんだが、本当に学は信じてるんだろうか。見透かされてるような気もするし、本当に信じてたらそれはそれで危険な気もする。


 彼女の眼前でエロ本を物色するという羞恥プレイに耐えながら、どうにかノーマル(?)なものを三つほど見つけることができた。

 一時間以上探していたような気もするが、それだけ探して三つしかないとか……。

 学のお母さんの趣味を反映したものもたくさんありましたよ……。


「ねぇねぇ、お兄さん」


 な、なんだ。まだ何かあるのか?

 今日はもう『お兄さん』と呼ばれるのが怖くて仕方ないんだが。


「選んでくれた本、全部肝心なところがもじゃもじゃーってなってるね」


 モザイクな。

 てか日本では大抵の本がそうなってるだろ。


「昔は直接見せるのは法律で禁止されてたんだ。それは恥ずかしいことだし、知らない人間のそんなところを見るのは不快に思う人だっているからな」


「へぇ。確かに、私もお兄さん以外は興味ないしね」


 絶妙に嬉しいことを言ってくれるじゃねーか。


「でも、隠してある方が逆にエロいね」


 なんでそんな概念だけ知ってやがる!

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