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第84話 そこ突っ込む?

「この行為ってさ、赤ちゃんを作るためにすることなんだよね?」


 な、なんだ? この後に何を言い出すつもりだ?

 だが今言ってることは間違ってない。


「その通り、だが?」


「うーん……」


 また考え込むワナビ。

 質問攻めにされるのもツラいが、こうやってタメられるのもけっこう精神的に削られる。


「じゃーなんでこんなことするの?」


 そう言ってワナビが見せてきたのは、とてもじゃないが言葉では説明できない生々しいもの。

 女性の顔がアップで映っており……それ以上は言えない。


「~~~~!」


 こんなものを凝視してやがったのかコイツは!

 俺にどうしろって言うんだ……。


「これじゃ受精卵になんてならないよね?」


 あくまで無邪気に、その知識欲から聞いてくるワナビの表情は大真面目。

 こっちは脳みそが沸騰して今すぐ氷水でも被りたい気分なんだが。

 でもこれは逆にチャンスかもしれない。恋人というものがどういうものか、どうして田中のおっさんが淫行条例に似たものを設定したのかを理解させるためにも。


「あのな、ここからは真面目な話なんだが」


「わたしずっと真面目に聞いてるんだけど。お兄さんはずっと真っ赤だけど」


 うるさい。そこを突っ込むんじゃない。こっちだって必死だったんだよぉ!


「まぁそれはおいとけ。それよりもそういう事をする理由は赤ちゃんを作るだけが目的じゃないんだよ」


 あぁ、もう戻れない……。

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