第81話 信じていいのか?
「これなら私が勉強するのにちょうどいいんじゃない!?」
お目当てのものが見つかって嬉しいのか、無邪気にはしゃぐワナビ。保健体育の時間に喜ぶ男子学生みたいだ。
十五歳でそこから始めるのは少し固い気もするが、まぁいきなりどぎついのを見せるよりは百倍マシだろう。
「まぁそれなら問題ないだろうな。ちゃんと正しい知識を身につけてくれ」
中身を確認した方がいいかなとも思ったが、表紙は文字だけで変な写真も載ってないし、まともな図書だと判断してもいいだろう。
女の子と一緒に性教育の本を読むのは俺の精神衛生上良くないので、銃の手入れでもしておくか。
* * *
ワナビは特に変な声を上げることもなく、質問もしてこない。
真面目な顔をして読みふけっているのを見るに、ためになることが書いてあるのだろう。
そう思っていたのだが……。
「ねぇお兄さん」
「なんだ?」
読み終わったのかと思って顔を上げると、彼女は端末を抱えたまま難しい顔をしていた。
「人間の生殖って言うのは受精するのが目的なんだよね? どうして口や足を使ったりするの?」
全身から一瞬にして血の気が引いた。
お、俺は致命的な事をやらかしたのか……。
「待て。お前はいったい何を見ているんだ……」
恐る恐る近づき、端末を覗き込んでみると、そこに映っていたのは裸の男女が絡み合う写真。
これただのエロ本やんけ!




