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第80話 そんなことないよな?

「なるほど、そういう人もいるのか……」


 嫌な理解のされ方だ。

 何やら真剣な表情で考え込んでいるが。

 それ以上この話題を掘り下げるのはやめて欲しいなぁ……。


「いろんな人がいるんだもん、いろんな恋愛の形があるのも当然だよね」


 うん、それはその通りだ。

 たださっきの知識が前提じゃなかったらすごくいいこと言ってる。


「わたしに理解できないからってなんでも否定するのは良くない。ひょっとしたらお兄さんも好きかもしれないし」


 そんなわけねーだろ! 俺はそんな変態じゃねー!


 ……ないよな?


「お兄さん!」


 なんだそのキラキラした眼は。ヤメロ。


「試してみる?」


「試さねーよ!」


 とんでもないこと言い出しやがるな。

 何が悲しくて初めての彼女と妙な扉を開きに行かないといかんのだ。


「あのな、それはあくまでも特殊な人の例であって、普通の人はそんなので喜んだりしねーんだよ。普通は痛いのなんて嫌だろ?」


「それもそうか。ふーん、いろんな人がいるんだね。これはもっと情報を集めないといけないね」


 そう言って再び端末へと向き直るワナビ。

 まだこの魔窟探索を続けようというのか。

 止めたい、でも止められない。何なのこの罰ゲーム。俺が何したって言うんだ……。


「あ、これなんていいかも」


 次は何を見つけた!?

 すかさず覗き込んだ俺の目に飛び込んできたのは、この魔窟には相応しくない文字だった。


『良い子の正しい性知識』


 マジか?

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