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第62話 近くない?

 ただ散歩しただけという、ある意味今の時代に適合したデートを楽しんだ後、俺たちは再び廃墟ビルの間を歩いていた。

 しかし、往路と決定的に違うことがひとつある。


 ワナビが密着して離れてくれないのだ。

 終始ご機嫌な様子で俺の右腕をしっかりと抱え込み、頭を預けるようにしているのだが、歩きにくくないのだろうか。

 俺は……歩きにくいというか、精神的にちょっときつい。


 こんなに若くても、女ってのはどうしてこんなに柔らかいんだ!

 しかも腕を胸にしっかりと抱えているものだから、いくらつつましやかとはいえしっかりとその感触が伝わってくるわけで……。

 心頭滅却、煩悩退散……。


「お兄さん、なんだか顔が赤くない?」


 本音を言えば今すぐこの腕を解放してほしいんだが、その理由を説明するとどうしてもそういう話題になってしまう。

 無垢に育ってきたこの少女に、そんな邪な情報を与えていいものか、悩ましいところだ。

 でもさすがに十五歳だし、最低限の知識くらいは持っておいた方が変な奴に騙されないためにも必要なことかもしれない。


「あのな、ワナビ。男と女の身体は全然違うものだということは分かるよな? その中で決定的に違う物って何だと思う?」


 少し考えた後、こやつは自信満々に答えた。


「女の子はお股に変な物がついてない!」

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