第61話 ここが俺の居場所なのか?
「ほ、本当に俺でいいのか?」
「もう、お兄さんいつまで言ってるの? わたし達はもう恋人なんだから、そういう確認は野暮だよ」
俺の言葉を遮るように、ワナビは無防備な俺の腕に絡みついてきた。
ち、近い! ワナビの体温が直接伝わってくる……。
「私の気持ちは何を言われても変わらないよ。だってお兄さんの事が大好きなんだもん」
幸せそうな表情で、俺の腕に頭を預けてくる。
そんな顔を見せられたら俺の小さな戸惑いなんて、くだらないものに思えてくる。
親しい身内を相次いで失い、一人孤独にロボットたちと暮らしてきた少女。
その心中はどのようなものだったのか。
そんな中、ようやく表れたのが俺という存在。どういう基準なのかは分からないが、彼女は俺を信頼し、ここまで心を開いて「恋人」とまで言ってくれている。
まだ幼さの残る少女がようやく見つけた安寧の地を、容赦なく取り上げるような無情さを俺は持ち合わせていない。
「わかったよ。俺もワナビの事、す、好きだから」
これから先は俺がコイツの拠り所となり、心の支えになっていこう。
当てもなく旅を続けてきたけれど、俺の旅の終着点はきっとここだったんだ。
俺もまた、孤独の檻から解き放たれ、誰かと共に進んでいく道を見つけたということなんだろう。
まだぎこちなさが残る恋人と目の前に広がる雄大な景色に目を向けながら、俺はそっと息をついた。




