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第48話 ここに来てよかったのか?

「それでどこへ連れて行ってくれるんだ?」


「ふふ、いいところだよ」


 終始笑顔でご機嫌なのはいいけれど、せっかくのデートも廃墟の間を歩いてるんじゃムードもへったくれもありゃしないよな。

 それでもずっと笑ってるから、ワナビはそれなりに楽しんでいるようだが。


 廃墟のビル群を抜けると少し坂を登って工業地帯のようなところに入り、無機質な鉄塔やパイプの這う工場群が現れた。


「ここはお祖父ちゃんとよく来たところなんだよ」


 こんなところにいったい何があるというんだろう。

 ワナビの案内に従って後をついていくと、廃工場にある鉄塔へとたどり着き、狭い階段をけっこう上った場所にある開けた場所へたどり着いた。


「これは……」


「へへ、いい場所でしょ」


 そこは高台に作られた工場の中でも一段高い場所となっており、周囲の景観を一望することが出来た。

 遠くには海も見える。


「ここからお祖父ちゃんとよく海を眺めてたんだ。わたしまだ海に行ったことがないから、いつか行きたいねって話してたんだけどね」


 その物言いからしてその計画は実現していないようだな。

 つまりここはワナビにとって大切な思い出の場所ということか。


「いいのか、ここに俺を連れてきて」


「お兄さんだから連れてきたかったんだよ。だってわたしの新しい家族だし!」

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