第47話 楽しいね?
結局、本当にデートをすることが決まってしまった。
昔読んだ本に書いてあったように、レストランで食事をしたり映画を見たりなんてことも出来やしないので、近くを一緒に散歩することになったのだが。
おれはこの辺の地理に詳しくないから、ワナビのエスコートで散策することに。
「お兄さんにはわたしの好きな絶景スポットを教えてあげるね」
上機嫌なワナビ。
俺と二人きりとはいえただ散歩するだけなのに、何がそんなに嬉しいんだか。
鼻歌を歌いながら前を歩く姿は年相応、やっぱり妹のように見えてつい頬が緩んでしまう。
「お兄さんも笑ってる! ふふふ、こうやって歩いてるだけなのに二人だと楽しいね」
楽しそうな笑顔を向けてくるワナビ。
どこから出してきたのか、いつもの小汚い白衣ではなくピンクのトレーナーにスカートといった可愛らしい恰好。
頭には花の髪飾りもつけて、いつもよりはるかに女の子らしい。
今まで気づいてなかったけど、よく見ると可愛いよなコイツ……。
「どうしたの? ボーっとこっち見て。今日の服、おかしい?」
自分の姿を見て不安そうにするのがいじらしい。
「いや、そんなことないぞ。女の子らしくて、よく似合ってる」
「ほんと!? よかったぁ」
その言葉に喜び、顔をほころばせる様子はまるで花が咲いたようで、俺は迂闊にも見惚れてしまうのだった。




