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第42話 これだけいればいいだろ?
「そんなんじゃねーよ」
ワナビを下ろしながら後ろでニヤニヤしてるおっさんに向き直る。
「こいつは祖父さんを亡くしてから長い事一人で暮らしてきたんだ。しばらく俺という存在がいたことに慣れてたからまた寂しくなってただけだろ」
「そっか。こんな小さいお嬢ちゃん一人で暮らしてたんじゃ、そりゃ寂しかっただろうな」
俺が引き連れてきた数十人の人間が一様にうなずく。
よかった。俺の人を見る目は腐っていなかったようだ。みんなワナビの境遇に正しい意味での同情をしてくれているようだ。
「でもこれからは賑やかになるぞ。これだけの人が集まればもう寂しいなんて気持ちもなくなるだろ」
そう言ってワナビの頭を撫でてやる。目を細めて喜ぶ姿が猫みたいと言うか、本当に妹みたいだな。
「いっぱい人を連れて来てくれてありがとう! 賑やかなのは好きだからとっても嬉しいよ」
自分の役割を果たせたようで安心した。
これでこの街も安定していくことになるだろう。ロボットもたくさんいて防衛の面では安心だろうし、なにより人の力というのは大きい。これだけ環境の整った状況で、いろんなアイデアが集まればもっと良い環境になっていくだろう。
「でもね、いくらたくさんの人がいてもお兄さんがいないとやっぱり寂しいよ!」
「なっ!」




