第38話 何人がいい?
「千や二千ならすぐ増やせるけど、それ以上になると材料を集めないといけないから少しかかるかな」
「いや、十分だ」
千ともなれば立派な軍隊だ。
かつて「警察」と呼ばれた組織でも、一つの街にそれだけの武装した人員を置くことはなかった。
「俺はまた旅に出る。その間に少しでも多くのロボットを増やしておいてくれ」
「え、お兄さんどこかに行っちゃうの」
俺がいなくなることに表情を曇らせるワナビ。
まったく、この短期間でどれだけ懐いてるんだよ。今までそれだけ寂しい想いをしていたんだろう。
「心配するな。すぐに戻ってくる。その時には百人くらい増えてるかもしれないから、食料をたくさん作っておいてくれよ」
その言葉で俺の言わんとすることが伝わったのだろう。
表情がパッと明るく一変すると、今度は元気な笑顔で頷いた。
「わかった! でもお兄さんも必ず一緒に戻ってきてよ!」
「俺の帰る場所はここにしかないよ」
まるで本物の妹のように懐いてくるものだから、俺もつい笑顔になってそんなことをのたまってしまった。
しまったと気づいた時にはもう遅い。
ニヤニヤとした顔のワナビが下から覗き込んできていた。
「かっこいいセリフだねぇ。まるで口説き文句みたいでわたしもキュンとしちゃったよ」
その顔のどこら辺がキュンなんだ。
「家族はたくさん作ろうね!」
おいヤメロ。




