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第37話 危ないよ?
「それで、次も地下に畑を作るのか?」
「そうだよ。掘り進めた方が汚染濃度も低くなるし、何よりカムフラージュになるでしょ」
普通の感覚なら日の光の届かない洞穴で食料を生産しているなどとは思わないだろう。
まして掘削作業をするのはロボット。その後の管理もロボットがやってくれる。こんなのまだ平和だった時代に空想世界で語られていた理想の社会そのものじゃないか。
人類がほほ滅んだアポカリプスの時代になってこんな街が出来上がっているというのは皮肉なものだ。
しかも年端も行かないこんな少女が……。
「これから先、どうするつもりなんだ?」
「うーん、食料生産が爆増するのは間違いないだろうから、どこかと取引かもしくは移民を増やしてもっとにぎやかな街にしたいんだけど」
それは一筋縄ではいかない、大きなリスクをはらむ。
大々的に喧伝すればそれは望まない連中の耳にも入るかもしれない。口コミで噂になるのも危険な世の中なのだ。
「小さなコミュニティに直接声をかけ、秘密厳守で人を集めていくしかないな」
「だよねぇ。派手にアピールするのが危険なことくらいはさすがのわたしでも分かるよ……」
「……おい、この白い悪魔たち……ロボットはまだまだ増やせるのか?」
俺にはひとつだけ考えがあった。




