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第36話 ここに住まない?

 手に入れた物資を袋に入れてバイクに縛り付け、どうにか科野タウンに戻ってきた。

 実家に帰ってきたような安心感を覚えるのはどうしてだろう。

 相変わらず街に入るなりわらわらと寄ってくる白い悪魔たちが不気味ではあるものの。


「俺もすっかりこの街に馴染んじまったみたいだな」


 俺がそうこぼすとワナビが嬉しそうな顔で食いついてきた。


「馴染んでるんだったらもうそのままこの街に住んじゃいなよ! 食料も十分あるし、何よりお兄さんがいてくれたらお肉が食べれるしね!」


 俺は専属猟師ってわけか。まぁ働かざる者食うべからずな世界だし、それくらいの仕事なら喜んでやるが。

 暗くなってからの廃墟探索は遠慮したいところだが。


「そろそろ旅をするのにも飽きてきたしな。そろそろ腰を落ち着けるのも悪くないかもな」


「私が市長だからお兄さんは副市長だね! この街をもっと平和で安定した場所になるよう頑張っていこう!」


 ワナビは俺の両手を取り、飛び上がるようにして喜んだ。

 考えてみたらこいつは元々両親や祖父とここに住んでいたんだったな。

 それが急に一人ぼっちになって、寂しい想いをしていたのかもしれない。


「やれることは何でもやるから、副市長でも兄でも好きなように呼んでくれ」


「暗闇で怯えるお兄さんは弟って感じだったけどね」


 それを蒸し返すんじゃない。まったく、厄介な弱味を握られたものだ。

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