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第34話 怖くなんてないんだからね!?

 探し回ること数十分。


 こういった工場内での冷暗所というのがどういうところにあるのか分かりもしない俺は探すというよりもただウロウロしているだけといった様相。対するワナビはまるで我が家のように迅速に移動しては「ここにもない」とつぶやいている。

 

 こっちはまるで役立たずだ。いや、決して暗いところが怖いからとかじゃないぞ?


 でもそれからほどなくして、「あった!」という声が人のいない廃墟の中で木霊した。

 声のした方に行くと、なるほど、冷暗所というだけあって真っ暗な中にワナビの懐中電灯の光が動いている。


「この瓶だよ! 持てるだけ運びたいから手伝って」


「お、おう……」


 俺は神経を最大限に張り詰め、戦場を進むときのごとく慎重に歩を進める。

 ワナビまで目測二メートル。

 足元を何か小さな生き物が横切った。


「はう!」


 おそらく鼠か何かだろうが、思わず変な声が出てしまった。


「ハウ?」

 

 ワナビが聞き返す。ちくしょう。


「……アーユー?」


 なんで俺はワナビにご機嫌伺いをしてるんだ。


「……I'm fine thank you」


 何だコイツ、めっちゃ発音良いな。ネイティブか? しかも苦し紛れの言葉に律儀に答えてんじゃねーよ。


「and you?」


 しかも畳み掛けてきやがった。ご機嫌なんて良くないっての。


「……ノーサンキュー」


「それ意味が違うよ」


 やかましいわ。

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