第32話 役に立つんだぞ?
「おい、もう入ってきていいぞ」
ゴロツキ二人の手足を結束バンドで拘束しながら、部屋の外で中を伺っているワナビに声をかけた。
「殺したの?」
「いくら軍人でも四六時中人を殺してるわけじゃないぞ。お前が一緒に貸してくれたテーザー銃が役に立ったよ」
「あれ、大型動物用にけっこう出力上げてあったけど、本当に大丈夫?」
……そういうことは先に言え。
一応確認してみたが……うん、息はしてる。
「大丈夫そうだ。これでよし、と」
身動きできなくしたところで立ち上がり、横に置いてあったテーザー銃をもう一度腰に差した。
「それって電気コードとかを束ねるやつでしょ? そんなもので縛ってちぎられたりしないの?」
「何言ってんだ。昔は外国の警官が手錠代わりに使っていたほど丈夫なんだぞ。人間の力なんかで引きちぎれるようなもんじゃない」
ゴリラやチンパンジーなら知らんけどな。
「そのバンドならうちにも山ほどあるや。今度お兄さんが寝てる間に試してみようかな」
何を試すつもりだ。
寝ている間に拘束されたらたまったもんじゃないぞ。
「バカなこと言ってないで目的のものを探せ。こいつらの仲間がいたら集まってくるかもしれんぞ」
多分その可能性は低い、ただのはぐれどもだと思うが、野盗の中には組織を組んで効率的に略奪や物資の収集をしている奴らもいると聞く。
暗い中、大勢に囲まれるというのはどう考えても不利だ。
目的を済ませてさっさと退散しよう。
怖いし。




