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第30話 人間、なのか?

 まだ心臓はうるさいくらいに鳴っている。


 も、もし人間じゃなかったら?

 いやいや、待て待て。

 常識的に考えて、幽霊に遭遇するよりも生きた人間に出会う方が確率な相当高いだろう?


 って人間ほとんど滅んでるやんけ!


 落ち着け俺! 軍隊で培った冷静な判断力というものをここで活かさずどうする。

 本当に人間だった場合、ここでワナビを守ってやれるのは俺しかいないんだ。

 俺自身もこんなしょうもない理由で命を落とすなんてまっぴらごめんだしな。


 もう一度音をたてないように深呼吸をすると、そっと室内の様子を伺った。


「なんだよ。せっかくでかい建物に来たのに缶詰のひとつもねーのかよ」

「まぁ食品売り場でもないしな。武器のひとつでもあればよかったんだが、ここはハズレということだな」


 間違いなく人間同士の会話だということを確認し、俺の気持ちは軍人時代のそれに戻っていた。

 いや、さっきまでも冷静だったんだがな。


 なるべく相手を刺激しないよう、少しだけ気配を感じさせるようにしてあたりを物色している二人組の視界に入る場所へと移動した。


「誰だお前!」


「おっと! いきなり撃つなよ。こっちに戦意はない。ただここにある必要なものを取りに来ただけだ」


 ジャケットをまくり上げ、左腰に巻き付けらたレールガンを見せ、それを手に取る意思はないと右手を後ろに回した。

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