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第29話 ゆ、幽霊か!?
「ごくっ」
「生唾飲むのを口で言わないで」
その方が雰囲気出るだろ。
というかそんなことでもしてないと怖くて正気を保てない。
「大の男が幽霊ごときでそんなに怯えないで欲しいなぁ。せっかくわたしの王子様かと思ったのに」
王子様でも鬼軍曹でも幽霊は怖いもんだ。
逆に平気な顔してる少女ってのも可愛げがないぞ。
「どうせ可愛くないとかおもってるんでしょうけど、別に信じてないわけじゃなくて合理的なだけ。この次元に存在しない幽霊が何か害を与えるのは物理的に不可能だからね」
幽霊相手に物理とか言い出したよ。
こいつは幽霊が襲い掛かってきたら殴り合いでもするのかな。
背後は任せろ、ファイター。
「後ろで小さくなるのやめてくれない? なんか複雑な気分になるから」
うるさい。黙って俺を守れ。
物理がちゃんと効く相手ならなんとかしてやる。
「お前の背中はしっかり守ってやる。どちらにしろ探す者も分からないしな。何かあったら言え」
「あっ」
おい、早速か。
頼むぞ。人外だけはやめてくれ。
「向こうの奥、話声がする」
「ぽ、ポルターガイストか」
「それは騒音でしょ。なんでも幽霊に結びつけようとするから怖くなるんだよ」
確かに。ここで俺が動揺してどうする。
ワナビを後ろに下がらせ、気配を殺して話声のする方へと近づいた。




