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第23話 明日にしよ?
途中何度か休憩して、三時間ほどでたどり着いた。
道が綺麗なら二時間程度でいけるんだけどな。ボコボコの道で猛スピードを出したら吹っ飛んでしまう。
それでも徒歩で移動することを考えたら、本当に便利な乗り物だ。
世の中が壊れてから石油も電気もすぐになくなったので、まさかこんな文明の利器に乗れるとは思わなかった。
俺も少し興奮しているかもしれない。
そして到着した建物は、十年間放置されていた上に夕方という時間も相まって不気味な雰囲気を醸し出していた。
「う……」
「どうしたの。お兄さん?」
「その、もう日も傾いてきて中も暗そうだし、今日はここでキャンプするか。さっきウサギがいたから肉も食えるぞ」
「ちゃんとこれがあるから平気だよ」
取り出したるは懐中電灯。秘密道具を出すときの効果音が聞こえたのは俺だけだろうか。
本当に何でも持ってやがる。
「冒険に懐中電灯は必須でしょ」
それ昔流行ったホラーゲームの世界じゃねーのか。
普段から懐中電灯常備してる奴にはあまり出会ったことがないんだが。
「それじゃ行こうか!」
「ちょっと待て!」
「どうしたの? 早く行かないと本当に暗くなっちゃうよ」
「ダメだ。今日はキャンプする」
「どうしたの?」
「……怖い、から」




