第19話 必要なものはなんだ?
「実はね、汚染された土壌を浄化するためには大量の化学薬品が必要なんだ」
「化学薬品?」
「おかしな話だよね。化学で汚れた土を元に戻すのに、化学の力を借りないとどうにもならないなんて」
もちろん地球自身の自浄作用もあるにはあるが、それを待っていたら何千年かかるか分からない。その間に人類は完全に死滅してしまうだろう。人類が生き延び、そしてまた繁栄を取り戻すには、今どうにかする必要があるということだ。
「その化学薬品とやらはどこにあるんだ」
「わたしの必要な薬品を専門に作っていた工場があるんだけど、ここから直線距離で百二十キロくらいあるんだよね」
それは徒歩で移動するのは無理だな。往復だけで何週間もかかってしまう。
その間の食糧問題なんかを考えると、何らかの交通手段がないと不可能だろう。
「何か足になるものはないのか?」
「一応お祖父ちゃんが乗ってたバイクがあるけど、壊れちゃってて。バイクに関する知識はないから直せないんだ」
「バイク……」
それならどうにかなるかもしれない。部品交換くらいで済むなら、その辺に落ちてるバイクを漁るだけで済むだろうからな。
「一度そのバイクを見せてくれ」
「え、直せるの!?」
「見てみないことには何とも言えんが、余程ひどい壊れ方をしていない限りはどうにかなると思うぞ」
俺の言葉に瞳を輝かせるワナビ。
なんだか可愛いじゃねーか。




