第1話 ありえない街並み
世が世ならいろいろと権利関係で引っかかりそうなロボットに囲まれ、俺は周囲を見渡した。
どこからどう見ても西部劇。
いや、おかしいだろ。
今西暦2119年だぞ。
どこかの映画のセットか?
目の前にある木造の建物にはガラスがはめられていないことに気付いた。酒場らしき建物の前面には、革張りのテントが突き出した屋根のあるスペース。見たところテラス席のようだ。
角にある入口の扉は両開きで五十センチほどの高さしかなく、上半身も下半身も丸見え。かつてならず者が跋扈していた時代、店に入ってくる客が銃を携帯しているかどうかを即座に判断できるように設計されたものだが、こんな時代に必要あるのだろうか。扉には鷹の羽のような凝った意匠が施されていて、いかにもオシャレなバーといった様子だ。
外には馬を繋ぐための馬棒が設置されていて、その下には飼い葉桶もある。生物なんていやしないのに。
他の建物も全部木造で、方形の建物に日よけのためのテラス部分があるという点では変わりがない。そんな建物が大通りの左右にひしめき合っている。
そんなどこから見てもアメリカ開拓時代の街並みだけど、ひとつだけ違和感がある。
本来なら木彫りの文字で作られた看板があるはずの二階壁面。
そこに鎮座するのは電飾ギラギラの電光掲示板。
そしてさっきから数を増やし続けるロボットたち。




