第182話 女の子ってズルくない?
「そういうことだったら、今日はもう遅いし、早く寝て明日朝一番から向かおうぜ」
「暗かったら怖いから?」
「そうじゃなくって!」
くそぉ、楽しそうに笑いやがって。
今から街に帰ってバイクで向かったら、間違いなく日が暮れた後に到着するじゃねーか。
深夜の徘徊は危険も多いし、避けるに越したことはない。
バイクで走ってたら野盗に遠くからでも発見されるし、夜行性の肉食獣なんかもいることだしな。
そんなことを考えていたらワナビが俺の顔を覗き込んできた。
「なんだよ?」
「どうせ野盗とか肉食獣とか、言い訳考えてたんでしょ」
んな! ど、どうして分かった……。
「意地っ張りなお兄さんだからすぐに分かるよ!」
そんな見抜かれ方は不名誉なんだが。
まったく、女の子ってのはすぐに成長していくんだな。
「わたしはお兄さんが漏らしても嫌いになったりしないのに」
「それは軍事機密だって言ってるだろ!」
「あははは!」
嫌いにならなくても、やっぱり笑うんじゃねーか。
「それでさ、お兄さん」
「ん?」
「今日はひとつだけお願いがあるんだ。聞いてくれる?」
「あぁ、俺にできることなら何でも聞いてやるぞ」
最近株が下がりっぱなしのような気がするから、ここらで男らしいところを見せておかないとな。
「今日の夜は、一緒のお布団で寝ない?」
……ひょっ⁉




