第168話 どんな船?
俺たちはそのまま川沿いを歩き、ダムへの道を歩いた。
片道で二時間くらいかかるらしいから、バイクを取ってきた方がよかったかな。
「んふふ~。二人きりでお出かけ。これも立派なデートだね」
ま、ワナビがご機嫌だし、たまには歩くのも悪くないか。
「お兄さん、熊が出たら助けてね」
「まぁこれがあるからな」
脇に差し込んだデザートイーグルを見せて安心させる。
「なんだ、お兄さんなら素手でも行けると思ったのに」
なわけねーだろ。どこの伝説の格闘家だよ。
「なぁワナビ。なんだか俺に対する評価がいろいろおかしくないか?」
「そう? 元少年兵って言ってたから熊とも戦ったことあるかなって」
あるわけねーだろ。
どんな虎の穴だその育成所は。
「ワナビ、お兄さん、人間、わかる?」
「あはは。分かってるって。デッパー君よりは非力だもんね」
間違ってはいないんだが、なんかあれと比較されると釈然としないのはどうしてだろう。
しかも判断基準がデッパー君ってのもなぁ。
これからもいろいろ無茶な要求をされそうだ。
ワナビのお義父さんってどんな人だったんだろうな。
「着いたよ。あの船がそうだよ。お祖父ちゃんとたまに遊んでたから手入れはできてる」
……でっか! 掃除するだけの船だから川船程度かと思ってたのに!
「たまに流木とか流れついてるからね」
デッパー君連れてきたらよかった。




