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第145話 意外な才能?
「どこのツボを押せば気持ちよくなるか、一生懸命勉強したのになぁ」
残念そうな顔のワナビ。
お前はいったいどんな暗殺拳の勉強をしたんだ? 師匠は白いひげの長いスキンヘッドの爺さんか?
「筋肉痛とかなってない? 大丈夫?」
言えない。やっぱり言えない。
おまえの指圧が俺の寿命を削り取ったなんてとても。
「あ、あぁ。少しだけ筋肉痛になってる気もするが、俺も体力には自信があるからな! お風呂にでもゆっくり浸かればすぐ回復するって! ははは!」
あれ、どうして俺は涙が出そうになってるんだろう……。
俺は誤魔化すように窓を開け、外の風を浴びた。まだ磯の香りが残っている。
大自然の営み。地球の動きと気温の変化による空気の流れ。
俺は今、生きている。
当たり前に思えることだって、見方を変えればありがたい。
愛しいこの子を支えるために、俺は今日も走り続ける。
何があっても負けはしない。
信じた道を、突き進んでいこう。
「……」
「お兄さん?」
「……」
「おにいさーん!」
はっ! お、俺は今何をしていたんだ?
現実逃避のあまり、ポエムの世界に浸ってしまっていたようだ。
俺にそんな才能があったとは。まぁそれはいい。
ワナビの質問に答えるのが先だ。
「な、なんだ?」
「経絡秘孔ってなに?」
やっぱ暗殺拳かよ!




