第143話 世紀末救世主?
「すーすー」
本当に寝ちゃってるよ、この子。人の気も知らないで。
でもこうやって寝顔を見てると年相応で可愛いよな。うん、ほんと可愛い。
って俺は何を一人で惚気てんだ。
ついつい顔も近づいてしまってたし。
そろそろ離れないとな。
「うーん」
寝返りを打ったワナビの掌底が人中にヒット! うおぉぉぉぉ! 人体の急所にクリーンヒット!
マジかコイツ、寸分の狂いもなく叩き込んできた、だと!?
って思ってたら鳩尾に膝! からの百会にチョップ。
悶絶する俺。
涙目で確認してみたら気持ちよさそうに寝てやがる。
本当に……わざとじゃないよね?
そこからも膻中、天突、人迎と来たのでこれはヤバいと思って背を向けた。
身柱、至陽、命門ときやがった!
せ、背中もダメなら向かい合ってガードするしかない。
って思う間もなく、少海、手三里、合谷、曲池、内関へと腕やひじが叩き込まれていく。
こ、こいつ、陸奥〇明流の伝承者じゃねーだろな!
その後もありとあらゆるツボ(経絡)に攻撃を食らい続ける俺。
あぁ、俺もこれまでか……。〇貞くらいは捨てたかった……。
* * *
「……ーさん、お兄さん」
誰かが俺を呼ぶ声がする。天国の母さん?
「お兄さん! 起きてってば!」
「おおう! びっくりした。なんだ、世紀末覇者か」
「覇者?」
「いや、なんでもねー。朝飯でも食うか」
「なんだかお兄さんボロボロになってない? 昨日の作業そんなにつらかった? もう一日泊まる?」
「いえ、大丈夫です!」




