第142話 おいおい、そういう作品じゃないよ?
「ほらほら、早く横になろう」
いや、ちょっとワナビさん!? 手を引っ張りのやめて!
俺のそんな抵抗もきにすることなく、ずいずいとトラックに近付いていくワナビ。
真っ黒なトラックがピンク色にみえるのはどうしてだ!
「何してるの? 私が置くに行くけど、寝返り打ってわたしをつぶさないでね」
冗談めかして言ってるけど、本気で言ってるのか?
「ワナビ……その……恥ずかしくないのか?」
「寝るだけでしょ? 恥ずかしいの?」
ワナビだぁ。
なんか安心したけど、これはさすがに危険だ。主に俺の理性が。
「恥ずかしいというか……身の危険を感じたりとか……」
「……」
なにやら考えるワナビ。ここに来て羞恥心の芽生えか?
「もうお母さんになれる?」
ワナビだったわ。
いきなりお母さんってまたしても何足飛びもしたなぁ。
理系牛若丸。
俺の中の常識という平氏が壇ノ浦で海中に消えそうだ。
「それよりもう寝ようよ。わたしもよく働いて眠くなっちゃったよ」
おめーは袋の口を結んでただけじゃねーか!
「ほら、お兄さんも早く横になって」
自分の隣をポンポンと叩くワナビ。まじかぁ……。
仕方なく、隣に腰を下ろし横になると、すぐ間近にワナビの顔があった。嬉しそうに笑いやがって。
と思う間もなく寝息を立て始めるワナビ。
そんなに疲れていたのか?
でもまぁ、そういう事なら安心しておれも眠るか。
……寝れるのか?




