第104話 もういい?
「あのな、学」
「何?」
無邪気な顔は可愛いんだけど、聞いてくる内容は邪気まみれなんだよなぁ。
その自覚がないから余計に対処に困る。
でもそろそろ勘弁してもらわないと、俺自身も気づいてなかった性癖を全部暴かれてしまいそうだ。
「確かに相手の好みを知ることは大切だ。だけどそういうデリケートな部分を赤裸々に話すのはかなり恥ずかしい事なんだ。好きな相手には尚更な」
「そうなの? でも最初から全部知っておいた方が効率良くない?」
おうふ。
知ってはいたが、ここまで斜め上の発想をするのが理系ってやつなのか? いや、それは偏見か。理系というよりこれが学という人間なんだろう。
恋愛に効率を求めるやつなんて初めてだ。
「そういうのは効率重視じゃ無くてな。お互いの事を知っていく過程も楽しむものなんだ。学もそうだけど、自分の事を客観的に全部説明できないだろ? こんなところもあったんだーって、意外な一面を発見するのも恋人として付き合うことの醍醐味だぞ」
「ふむ……」
また何やら考え込んでいる。そこは頭脳じゃなくて感性で理解してほしいところなんだが。
でもまぁこういうところも好きになっちまったんだから、これも惚れた弱味ってやつか。
「そっか! 『強くてニューゲーム』は面白くないもんね! レベル上げも楽しみのひとつってことだ!」
まさかここでゲーム脳が出てくるとは。




