第103話 全部それでいいかな?
「まぁお前にも好みはあるだろうから、それは俺も知っておく必要があるな。うん」
あれ? 俺が学に言い聞かせられてる。
なんか立場逆転してね?
ダメだ。やっぱりここで足踏みしてたらロクなことにならねー。さっさと終わらせるためにも早く次に行かないと。
「まぁ服なんて最初だけの話なんだからいいじゃねーか。先に進めてくれ」
「それもそうだね。えーっと……あれ?」
学が首を捻る。今度は何だ?
「この人、中途半端に服着てるままなんだけど」
そう言われて端末を覗いてみたら、服を脱ぐ描写は過ぎてまずはキスから入ってるんだが、完全に脱いでいるわけじゃない。
あぁ。そうだったよ。
この本は戻るも地獄、進むも地獄の無限牢獄なんだった。
「ビルの中で読んだやつは全部脱いでたのに、どうしてこの人は途中で止めてるの? これも好みの問題?」
いらんこと教えてしまったかなぁ。好みの問題。
こういう分野ではほとんどの事がそれで説明できてしまうから逆にタチが悪いんだと今気づいたよ。
でも一つ一つを説明していくのも俺の精神がもたないし、全部好みの問題ってことにしようかなぁ。
「そうだな。服を着たままの方が興奮するという人間もいるから、それも好みの問題だ」
だけど、こう言ったら……。
「お兄さんはどっちが好き?」
ははは。
こうなるんだよなぁ。
性教育してたはずなのに、いつから俺の性癖暴露大会になった?




