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第99話 正しい知識って?
「まぁそれはなんだ……ムードってやつだな」
俺もなんて答えていいかよく分からんが、多分合ってるだろう。趣味とはまた違うような気もするし、その過程を楽しむという点ではムード作りをしているということだろう。
「ムード……またえらく抽象的だね」
お、こういう計算で割り出せない事柄にはからきしなんだな。さすが理系人間。
ここは俺がムード作りというものを教えてやるか。
俺は隣にいる学の方へ向き直り、いきなりキスをした。
驚いた表情で顔を赤くする学。あぁ、もう、可愛いな!
いやいや、俺はそんなことをしたいんじゃなくて、ちゃんと目的があるんだよ。ただムラムラしたからキスしたわけじゃないぞ?
次は学の頬に手を添えて、柔らかく微笑みながら言葉も付け足した。
「学、好きだぞ」
そう言ってまたキスをする。
突然二度もキスされた学は目を白黒させているが、これでムードのなんたるかを説明できる!
「二回キスしたわけだけど、一度目より二度目の方が嬉しいだろ? これがムードってやつだ」
ドヤ顔の俺。どうだ。
伊達に年上じゃないところを見せることが出来たかな?
モジモジしながらぼそぼそと何かを言っている学。なんだって?
「どっちでも……嬉しいんだけどな……」
ぐはぁ!
相手は俺よりも一枚上手だった……。




