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異端なる白銀の後継者  作者: れとると
——《追想の地》編——
41/43

経緯

 走り続け10分が経過していた。

『そろそろ、目的……っの狩籠の丘です』


 先頭で赤い式神兵が走り、その後を小野目おのめ充彦みつひこが走り続けていた。


 ——時間は巻き戻り21時30分滋賀第1支部。


 燃え上がっていたバスの炎は雨により鎮火しており、支部自体も徐々に自己修復を始めていたのだが当然の事だが死んだ人間はもう2度と動く事は無い。

 小野目おのめはバスの中で炭とかした隊員達に向かい手を合わし冥福を祈る。

「ごめんね……皆んな」


「すみません、俺がもう少し早く来て入れば……」

 充彦みつひこも、顔も名前も知らない隊員達に手を合わせ祈る、


「君が悪いじゃない、私の考えが甘かった……それだけ。

 ……よし、気持ちを切り替えないとね……取り敢えず今できる事は何か」

 小野目おのめは手を口元におき考えこむ。


「すみません、俺がしっかりと会話を聞き取れなかったばっかりに」


 充彦みつひこは鬼化をすれば全身の身体の機能は向上する、勿論聴力すらも例外ではなく人間の倍以上の機能を発揮できる。

 楠那くすな御殿場ごてんばは不要いに集合場所、目的地となる狩籠の丘の名を言葉にし発していた。

 だが、充彦みつひこの耳にはその声は届いてはいなかった、聞こえなかった訳それは耳が聞こえすぎていた為であった。

 雨が降っている音、雨が植物、建物、コンクリートに落ちる音、自分や小野目おのめの心音周りに常に鳴り続ける音に楠那くすな達の会話はかき消されていた。


「まぁ今の現状にうだうだ言ってても仕方ないわよ、ほらこっち来てバイクがあったわ、取り敢えずこれに乗って1度私が泊まっているホテルに行きましょう」



 それから時間は進み、22時12分南部フェスタホテル前。

「——っえ、伏見ふしみ君が拐われた……」


『はい、今話した事が全てです』

 宇多うたは赤い式神兵を使い部屋で起こった出来事を小野目おのめに伝える。


「その後の事は……」

 小野目おのめは無駄に動揺する事なく、今の現状を把握しようとしていた。


 式神兵の声が志木しきに替わる。

『はい……今、襲撃者の魔力を逆探知した所ある場所が……浮上して来ました。……はぁ、はぁ』


「苦しそうですが大丈夫ですか……」

 充彦みつひこ志木しきの息使い、途切れ途切れの会話に疑問を持つ。


「……小野目おのめ先生、後ろの方……っはどなたでしょうか?」

 志木しきはヘルメットを被っていて、顔はよく分からなかったが服装、体型からして隊員ではないと確信していた。

「……この方は……しっ白フードさんよ!」


『『……えっ』』


『大丈夫ですか……』

 志木しきの心配は当然のものであった。


『もっと、ましな言い方無かったですか……』小野目おのめのヘルメットイヤホンから聴こえてくる充彦みつひこからのダメ出し。


「くっ……取り敢えずは志木しきさん、この方は味方です信用して下さい」


『それでは……先程の疑問に時間が余り無いので簡潔に話します』


 志木しきは右掌をガラスで切りつけた後滲み出る血で半径1メートル程の円その中には五芒星を描き中心に真っ白な符に血文字で書いた呪符を配置し傷つけた右掌を当てがい続け魔力と血を常に流し続けることで通常の式神兵よりハイスペックな血石人狼型式神兵フェンリルを創造する事が出来る。

 だが、強大な力には決まって代償が付きまとう。


『この血石人狼型式神兵フェンリルは常に魔力と血を流し続けているので、当然魔力切れか血液不足でそのうち気を失います、多分入院レベルです』


 同時刻、伏見ふしみ遊馬あすまの部屋。


茉由まゆ! 貴方そんな……!」


宇多うたちゃん、最初に言った通り止めないでね、これは私の使命だから!」


「分かりました、それでは私はこれからホテルに常勤している医師の方を呼びに行って来ます、茉由まゆ……頑張って下さい」


「うん」





 場所はホテル前に戻り。

『それでは案内します』

 血石人狼型式神兵フェンリルは4本足の狼に姿を変え、目的地比叡山へと走り出す。

 小野目おのめ血石人狼型式神兵フェンリルの後を見失わない用にをバイクで追う。


 ——比叡山へ向け走り出してから1時間……。


『先生、少し考えてみたんですが良いですか』

 充彦みつひこは重たい声でヘルメットのマイクを使い、小野目おのめに話しかけてくる。


「どうしたの?」


『はい、先程のあきらに起こった出来事を聴いた時から考えていたのですが……。

 まず何故、あきらが拐われたのかですね。先程の人によると故意にあきらを拐ったようでした、先生は支部で言いましたよねあきらの力は一部の人間しか知らないって……』


「まさか……」

 今鬼化していない充彦みつひこにでも分かるほど、小野目おのめの心臓の音は大きく鼓動は早くなっていた。


『はい、多分察しの通りだと思います。その一部の人間以外から見たらただの一般の学生です、そんな学生をわざわざ敵地に乗り込んでまでして拐う理由が無いんです……結論をいいますと』


陰陽道みかたの中に敵がいる……」


『はい、あくまで推論ですが……』


「……」

(これを知っているのは、天城あまぎ本部長、下国しもくに本部長、清水せいすい本部長のみ……陰陽道で絶大な権力を持つその中に敵が居たとしたら、唯の隊員が勝てる筈が無い……)

 可能生が無い訳では無い話に小野目おのめは冷や汗が止まらなかった。


 そして時間は進み6月16日00時20分


「ウァアァアア……」

 目的地に近くと、辺りに響く叫び声。


「この声……伏見ふしみ君!」

 小野目おのめは叫び声がする方へ勢いよく走り出し、円状の広場に辿り着く、そこには……。


「あら、また会いましたね小野目おのめ殿」




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