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ラ・ラガス~創造魔法で異世界を生き抜く~  作者: タツノオトシゴ
無謀で勇敢な者に一欠片の自由を
150/180

shining sun

「え!?ルウェー始まって早々にどっか行っちゃったの?!」


「やっぱり反応しないでとことん暴れ回っている時点で薄々分かっていましたけども…」


「そっかぁ…ごめんねバーガス、実際城攻めやるとしたらどんな風に動くか予め予習しておきたいじゃん?」


「僕だって多少の文句は言いますけど皆貴方が望むように動くのは当たり前ですよ、実際結構楽しかったですし」


 都市部の中一際存在が強い建物…一応ここが商業国家の正式な王城と定められているこのタァールツェン城の王の間で横になりながら城攻め達成までの報告をバーガスから受ける。まず共に楽しめただけで純粋に嬉しいよ、開始五分で気合いに満ち満ちていた挑戦者達を七人細切れにした後は周辺の挑戦者を安全地帯送りを考えたけど風の噂で聞いていた。


 契約(レギュレーション)すら守れない連合を結成して賢者の石が課す基準を皆仲良く手を繋いで乗り越えよう!とか言うおままごと気取りしている可愛らしく物凄く腰抜け共が占領している空っぽのお城に十人でどこまで暴れられるか始まってから五時間もじっくり丁寧に掛けて挑んだけどそりゃ傑作だった。


 城門前でまるで日常を過ごすかのように立ち振る舞っていた門番役を任せられていた二人組と顔を合わせた所を即座に切り捨てて仕留め切り、城に籠城すると決め込んだ奴らが危険を感じたのか大雨を降らせる勢いの考えられない位の大量の魔法を撃ち続けて来たもんだ、量にして『魔帝』ちゃんの比でもないがあの尋常じゃない魔法を彷彿させる量には驚いたがこれに行動制限が増えるからまだマシな方だと心の中で結論付ける。


 皆を引き連れて城の中に入る手前何人かに分かれて突っ込んだけど終わってみれば一瞬だった。腰抜けだから適当なタイミングで降伏宣言でも上げると思ったら必死に抵抗してきたらね、実際にやったらこれの三倍位の量で囲んでくると思うと難しいけど感覚は掴めた。


 今は八つ…九つ分の賢者の石が商業国家と契約した領域魔法による現実とは違う一時的な仮想空間だから、どれだけここで暴れ回ろうと現実では実害が全く無いのが一番自分にとってとても都合のいい環境にいる。試せていない事を無償で四回までは使えるから万々歳だが…それは他の賢者の石との契約者に回したいな、特に【狂王】とか一番使い切りの命とか与えちゃいけない存在だから【仮初の命】はセーブしておきたい。


 でも、開始早々この場から逃げたのは身の安全の為?賢者の石を持っている筈の『水浪』君が弱腰なのは少し期待が外れたな…ま、その内会えるでしょ。ルウェーとも戦いけど順序良く進むことはないこの争奪戦。二時間も休憩できたし抜け道の発見も出来たからそろそろ重い腰を上げてこの場からもさよならしよっか、残りの六時間で終わってしまう一日目の最後にスッキリサッパリ出来る事とか何があるかな?


「決まった?」


「よぉうし…これから最短距離で【色奪】君の所に向かおうか」


「当てはどうするんですか?ただでさえ広い土地の中一人探すなんて骨が折れますけど」


「とか言いつつバーガスは分かってるんでしょ?意地悪いねー」


 ただでさえ個として確立しきっている存在がいる位だ、腫れ物の僕らが同個体が感知できない訳ないよ、癖強くて難儀することが多いけどちゃんと繋がりは築けてる。半ば強制的だけど急ごしらえで結構、これくらいやれて当然だ。ゆっくりと体を起こして王の間から出る途中バーガスの肩を軽く叩いて重々しい扉を開けて次は長い廊下を歩き外へと向かう。


『自己肯定が尋常じゃないな、やっぱお前といると飽きないな』


(いいね、どうせ争奪戦終わっても俺の所有物だから安心しなよ)


『自信があるのはいいが扉を開けたら用心しろよ?』


 賢者の石との会話の途中に警告か…一応は誓約がどうこうは守ってくれるか、してくれなきゃ困るけどね。外に出る扉を押し出そうと手を前にした時一本の槍が突如として頭を穿こうと飛び込んできた。物騒だなぁ、と思いながら避けた槍を掴もうとすると槍に伸ばした手をバーガスに止められ前に出たバーカスが手にしていた短剣を見て隣にいたサーウェと一緒に後ろに下がる。


 ゴス、扉を蹴り飛ばす音にしてはかなり重く響くと扉近くにいた敵と呼べる人物が吹き飛ばされるのを見たバーカスはそのまま扉の向こうへと短剣を振り回しながら飛び出していった。魔力感知で誰か待ち伏せしていたのは分かっていたけど見切り発車で飛び込むのも昔から変わらないね…逆に安心したよ。


「それよりも、城を占拠した事はどうせ安全地帯から復活した腰抜け共が言いふらしたのは確実っぽい線が確実だろうけど…それじゃ如何せん早すぎる」


「フラ、敵来た」


 ただでさえ一回の死が重い争奪戦の中ですぐに生き返ることができる点から頭の切れる奴が上手い事変な抜け道でも見つけてそうだな…やっぱ勿体ないけど自分の使ってでも探ってみるのもありだな。流石に賢者の石もそういう所は変に目を光らせているみたいだけど押さえつけるようなことをしていない限りそういうのも彼らにとってはもしかすると娯楽として消化されているのかもね…知らんけど。


 こんな事を考えて俺の所にある賢者の石に聞いたとしても事細か説明してくれる訳がなさそうだし、何なら軽く遇われるのが目に見える、難しい事は考えないでこのまま動くことだけを意識しておけば大抵全部上手くいく。それよりも先程の槍がこちらに向かって投げられたがサーウェの即席結界魔法で完全に防ぎ切れたがその後に再び槍を捻じ込んできた男が身に着けている鎧を見てすぐさま戦闘状態に入る。


「上玉でも駒は駒か、やっぱり人使いが荒いことで有名だもんな…それで金に釣られる石に興味のない傭兵さん等も言えたことじゃないけど」


「金で雇われた傭兵?我々はたった一人の方に忠誠を捧げた『ツヴァゲル槍兵団』のピーレスだ、そんな安っぽい者ではない【神出鬼没】よ…参る!」


「私がやる」


「ちょっと確認したいことがあってね、援護頼みたいんだけどいい?」


 サーウェの結界魔法が姿を変えて多種多様の魔法に変化すると突撃を決め込んだピーレスな向かって撃ち込まれるが無傷の姿で魔法の雨から現れ連続して突き攻撃を仕掛けてくる。適当に駒とかと例えたけど…やっぱり支給された防具は一級品か、魔力に才があるサーウェの魔法を少なからず無効化するとなると厄介だけど関係なく潰すことは容易だ。どう調理してやろう、休憩して貰っていた皆の邪魔したんだ何が起きようと文句は言えまい


 見事な槍捌きに感心しつつ全力で体を動かし攻撃を避ける、真上から振り翳した槍を【首裂き(ショーテル)】で受け止め連続して攻撃を叩き込みながら一点に集中した攻撃にピーレスは即座に刃を滑らせるようにして地面に刃を落とすと一撃に重点を置いていた攻撃とは違い今度は速さに舵を切ったようで巧みに動かす槍に戸惑いはしたが通用する手はかなり多くあることは分かった。


「【輝く太陽(シャイニング・サン)】」


 俺の何も持っていない左手が光始め、【首裂き(ショーテル)】で受け止めていたピーレスにたっぷり見せつけてやる、急激な光にピーレスは目を閉じるが閉じただけで【輝く太陽】に効果はない攻撃の手を緩めた所を狙って足元に滑り込み精密に造られた鎧に【水球】を先に撃ち込んでおいて、続くように後方から多数の魔法がピーレスに向かって放たれる。


「小癪な手段をしおって……クソ、何も見えぬ!」


「細工出来たり記憶を弄れるような魔法は残念ながら専門外でね、申し訳ないがこの【仮初の命】の間は一生真っ白の世界の中ってこと」


「魔法に多少認められていれば無効化まではいかないけど半減位には抑える事ができるらしいよ、見るからに槍一筋でこれまで生き抜いてきた古きを重んじるラーパット統一皇国の強い所ですがそろそろ多方面にも目を移さないと詰みますよ」


「賊如きが…!」


 商業国家の南に位置するラーパット統一皇国は確かに純粋な教えと密接に繋がりがある三神教によって成り立っているのにどうしようもないくらい魔力、魔法に疎い。疎いってレベルじゃないな…そもそも知らない昔の人間って例えた方がいい位時代に遅れているから歴史はかなり深いから調べたい事とかは都合がいい。


 そんな歴史が深い割に時代に遅れている突発的な魔法による攻撃はとても有効打として重宝している。それに俺の事知らないってことは以前の件は帳消しになったのかな?覚えているよりも忘れていた方が幸せか


「それじゃサーウェ他の皆の所に行こうか」


「仕留めなくていいの?」


「心配しなくて大丈夫だよ、相手は限りなく強い槍兵だろうが真っ白の中で動けるのは難しいけどね」


 足元がおぼつかないながらも声を元にこちらに槍を構えるピーレスはそれでもこちらを穿かんと一撃こちらに攻撃を放つが【首裂き】で弾き槍を地面に叩き落として地面に固定させる、微動だにしない槍に流石に動かなくなったピーレスを放ってその場を離れる。


「無念…【神出鬼没】よ、再び相見えよう。今度は貴殿の望むような形で…な」


「あっそ、じゃあね」


 なんだ相手も察しづいているか…もっと用心深くて悟られないようにしていかないとこれからどっかで躓いちゃうな緻密にでも大胆に…物事を俯瞰出来るようにならないと、心の中で暗示にかけて潔く死を受け入れた姿を見つつ仕組んでおいた魔法を発動させてサーウェの転移魔法で仲間の元へ移動するが、こんなに乗り気になれない戦いは久し振りだ。初めてお遊びに邪魔をされた時以来か…

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