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余次元住まいのハザマ様! part3 室生家の日常   作者: 山桃
― 御影 編 ―

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背後の御門

あれから、惟光(これみつ)さんに教えてもらった「思考を止める」テクニックを少しずつ練習している。


ふと息抜きをしようと思い立ち、休憩時間に「ようつべ」という動画サイトを開いた。


おすすめに猫のショート動画が出てきたので見てみると、仔猫が一回り大きな大人の猫にがっしりと抱きつかれ、全身をぺろぺろと舐め回されている。

子猫はイヤイヤと抵抗しながらも、撮影している飼い主の方を向いて「見てないでさっさと助けてや」と言わんばかりの視線を送っていた。


その姿があまりにも可愛くて、私はすっかり気を緩めてしまった。

(良いなあ〜。この仔猫が羨ましい。こんな風にじゃれあえるって素敵♡)


そう心の中でつぶやいた、まさにその瞬間だった。 背後からガシッと力強く抱きすくめられ、私の頬に何かがすりすりと擦り寄ってきた。


「きゃあぁぁああ!」


思わず悲鳴を上げてしまう。 その叫び声を聞きつけた御影様が、慌てて駆け寄ってきた。


「ハザマ? お前、何やってんの!?」


背後の人物――ハザマ様を引き剥がそうと、御影様が止めに入る。 ハザマ様は悪びれる様子もなく言った。


「いや、初音が動画の仔猫を羨ましいなんて思ってたから、同じ事をしてやろうと思って……」


「そうだったのか?」

御影様は心底呆れたように

「俺には、ジブリのかぐや姫が御門(みかど)に後ろから抱きつかれて逃げてるところにしか見えねえぜ? やめてやれよ、かわいそうに」


「…………」

痛いところを突かれたのか、ハザマ様はムッとして黙り込んだ。


御影様はぶつぶつとぼやきながら、

「しかし、ストーカーが自分のことをストーカーだと自覚してないってのは本当だな。間近で見て実感したわ」


そう言い捨てて去っていく御影様の背中を、私はただ呆然と見送るしかなかった。


  

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