結界の抜け道とハザマの嫉妬
惟光さんとのお茶を終えて戻ると、律様と御影様が寝室の入り口付近で話し込んでいた。
「こんなの、よく考えつくよなー。ハザマの奴め」
御影様がハザマ様に対して何か怒っている。
律様も首を傾げている。
「こんなの思いついても、普通は作ったりできないよな。どうやったんだろう?」
私はつい好奇心に駆られ、声をかけた。
「あのう、何かあったのですか? 私が見たところ、何も変わりありませんけれども……」
お二人は私の方を振り返った。御影様は困ったような顔をして言う。
「初音には見えないだろうけど、ここにワームホールみたいなのができててさ。そこを通って、ハザマが偵察に来てるんだ。結界の抜け道ができてんだよ」
「えっ!?」
律様が面白そうに笑う。
「御影と初音がくっつかないか、気になって仕方ないんだろうね〜。にしても、どうやったのこれ?」
その時、私の頭の中に鮮明なイメージが湧き上がる。ふと声に出してしまった。
「それって、イチから作ったのではなく、野生のワームホールをコピーして貼り付けたのではないでしょうか? 以前、ハザマ様が仰っていたのですが……あの世と電子世界は、構造がよく似ているらしいんです」
二人は顔を見合わせた。
「「その手があったか!」」
御影様はニヤリと悪戯っぽく笑う。
「じゃあ、もう一個ワームホールをくっつけて、奴にはそのままお帰りいただこう」
御影様はワームホールの出口に別のワームホールを繋ぎ、コの字型に形成して、覗きに来たハザマ様がそのまま元の場所へ追い返される道を作った。
――その後。
自分の家に帰り、玄関でスマホを開くと、ハザマ様からLIMEが届いていた。
『初音。お前一体、どっちの味方?』
短い一文から、ハザマ様の苛立ちが伝わってきた。




