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余次元住まいのハザマ様! part3 室生家の日常   作者: 山桃
― 初音 編 ―

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32/35

四観音と、十字型の結界

結界を張る準備を終えた御影(みかげ)様と陸(りく)様が、本家へ帰還した。


私はすぐに出迎え、陸様にわざわざここまで足を運んでいただいたお礼を伝える。

「いえ。これは私に与えられた役目ですから」 陸様は相変わらず腰が低く、穏やかに微笑んだ。


一方の御影様は、私を見るなり

「直接守ってやれなくて、すまなかったな」

と、ギュッと強く抱きしめてくれた。彼の腕の中で、しみじみと幸せを感じる。


*****


その後、神棚が祀られているお部屋で、四人での作戦会議が行われた。


陸様が真剣な表情で口を開く。

「例の西洋の悪魔なんですが、かなり頭の回る奴でして。我々に 祓われること を織り込み済みで計算しているんです。よくありますよね、一旦祓ったと思って安心したら、実は完全に祓いきれていなかったっていうケース」


御影様が腕を組みながら補足した。

「奴は自分を何分割かして、屋敷の使用人数名に入り込んでるからな。一人だけ祓っても意味がないんだ」


私は驚いて声を上げた。

「そんな、分割なんてできるんですか?」


すると御影様は、口角を上げて言う。

「ほら、霊体を分割して、夜な夜な女の所へ夜這いに行くケース。初音もよく知ってるだろ?」


「あぁ! なるほど!」

私が納得して心当たりのある方へ視線を向けると、ハザマ様は気まずそうにスッと目を逸らした。


気まずくなったハザマ様は話を戻して

「……入り込まれている使用人はすでに探してある。私がそいつらから悪霊を引き剥がして持ってくるから、その後の処理は陸と御影に任せたぞ」


*****


続いて陸様が、今まで外で何をしていたのかをイラスト付きで説明してくれた。

慈目寺(じもくじ) 北北西

枷鎖寺(かさでら)観音 南南東

荒古(あらこ)観音 西南西

竜仙寺(りゅうせんじ) 東北東

挿絵(By みてみん)


引き剥がした悪魔を四分割し、この四つのお寺にそれぞれ封じ込めるのだという。


これらを線で結ぶと、なんと巨大な十字架の形になる。分割による弱体化と同時に、十字架の形に配置することで西洋の悪魔を大人しくさせるという、二段構えの戦法らしい。


「ただ力で調伏しても、人間の悪意に当てられればまた暴れ出しそうですからね。観音様の力をお借りして、少しずつ『良いもの』へと浄化していく方法をとりました」と、陸様は語った。


へえ〜……オカルトって、奥が深い。




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