交換条件とAmazunの購入履歴
私はお手伝いさんたちに、誰が硫黄の入浴剤を入れたのかを聞いて回った。しかし、小夏ちゃんをはじめ、誰も知らないと言う。
私が聞き込みをしていることを知ったハザマ様が、「ちょっといいか?」と私を自室に招き入れた。
「なぁ、あの指輪が初音にとって大事なものだということはわかる。私が必ず取り返してやるから、犯人探しはやめてくれ」
「ハザマ様が見つけてくれるんですか?」
「ああ。その代わり、条件が二つある。一つ目は、犯人を探そうとしないこと。もう一つは――」
ここまで言うと、ハザマ様は内緒話でもするように口元に手を添え、声を潜めた。
「Amazunで、初音が代わりに避妊具を買ってくれないか」
「!! ……まだ買ってなかったんですか?」
私は心底呆れると同時に、大きくため息をついた。
「良いでしょう、私が買います。その代わり、絶対に婚約指輪を探し出してくださいね!」
「で、避妊具のサイズはSサイズでいいですか?」
そう聞くと、ハザマ様は心外だと言わんばかりに声を荒らげた。
「LLだろう! 2年前の事、忘れたのか!?」
「秀青さんのサイズは知ってますけど、ハザマ様のは知りませんし!」
「ほぼ一緒だし、私の方が膨張率が高いってこともあるだろうが!!」
その時、襖の外からゴホンッとワザとらしい咳払いが聞こえ、惟光さんの冷ややかな声が響いた。
「お話の途中誠に申し訳ありませんが、お声が廊下に筒抜けでございます」




