ハザマvs御影
この物語は『余次元住まいのハザマ様! ーハザマ編ー』の続編となっており、人間関係はハザマ編を読んでいただけると、なお一層理解が深まります。
室生 初音: 地方の芸大生
ハザマ様 =室生 透青
室生家の巫覡をしている。
中の人は月島 秀青
御影様 : お役目様の内孫三人衆の一人
ハザマと同じく次のお役目候補
早速、あてがわれたお部屋の掃除に取り掛かる。 すると、ハザマ様が私の様子を見に来て、
「なんで、私の世話係じゃなくて御影の世話係を選んでんの?」 と、少し怒りの入り混じった言葉を投げかけてきた。
「アルバイトの募集要件が、御影様の世話係だったんです」
私が正直に返答すると、ハザマ様は
「惟光、あいつ〜。わざとだな。取り替えてもらう」と言い捨て、惟光さんに文句を言いに行ってしまった。
それから数時間後。 御影様がご帰宅され、私が荷物を解いていると背後から急に声をかけられた。
「世話係がつくというから、さっそく手をつけてやろうと思ってたのに……なんだ、初音か。しかも、すでにハザマの手垢がついてるじゃないか」
その聞き慣れた声に、私は御影様がお帰りになったのだと察した。 振り返ると、黒いスーツに身を包んだ御影様から立っていた。元々細い体なのに、黒いスーツでさらに細く見える。切れ長の目と相まってナイフのような冷たそうな印象を受ける。
「お帰りなさいませ、御影様。お久しぶりでございます」と、努めて大人なご挨拶を心がける。
御影様は、切れ長の目に鋭い眼光を宿し、私をじっと見据えて言った。
「お前……ハザマに何されてんの? ベタベタにハザマの痕跡がついてるじゃないか。霊的に」
「毎晩、体を触りに来られます。霊的に」
「普段は全く喋らないくせに、やることは、はちゃめちゃにスケベだな。あいつ、性獣かよ?」
御影様がそこまで言った瞬間、ダッダッダッと廊下を走る足音が聞こえてきた。 その足音は襖の前でピタリと止まり――。
ぱあああぁぁぁぁああんっ!
勢いよく襖が開け放たれ、ハザマ様が飛び込んできた。
「誰がイケメン性獣だと!?」
「妄想癖でもあんのかよ! イケメンなんて一言も言ってない!」
ハザマ様vs御影様の戦いが今にも勃発しそうだったため、私は慌てて割って入った。
「あの……惟光さんは、なんとおっしゃっていましたか?」
話題を逸らされたハザマ様は、ひどく悔しそうに口を尖らせる。 「……世話係の件は、お役目様が決めたことだそうだ」
初日から、こんな風。
これからどうなるの?




