↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
余次元住まいのハザマ様! part3 室生家の日常   作者: 山桃
― 御影 編 ―

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
12/35

恋人たち

室生 初音 : 地方の芸大生

沙藤 美麗 : 同じく芸大生


ハザマ様 =室生 透青 室生家の巫覡をしている。

     中の人は月島 秀青で、彼は死んだ事になっている


御影(みかげ)様 お役目様の内孫のうちの一人。

    ハザマと同じく次のお役目候補で霊能力者

あれから、沙藤(さとう)美麗(みれい)さんとハザマ様はちょくちょく逢うようになった。 沙藤家の令嬢ということもあって、彼女は顔パスで本家に入れるらしい。


私はというと、ようやくハザマ様のストーカーじみた行為から解放され、ホッとしていた。 いくら好きな人とはいえ、二十四時間営業で監視されるのは、生活をすべて覗かれているようで怖い。


ある雪の降る日。 水回りの掃除を終え、御影(みかげ)様のお部屋を掃除しようとすると、彼が声をかけてきた。


「部屋の掃除は、二、三日に一回でいいぞ。今日はのんびりしないか? コーヒーでも淹れよう」


そう言って、彼自ら道具を用意してくれた。豆を挽いて淹れるコーヒーの香ばしい匂いが、暖かな部屋中に広がっていく。 二人でくつろぎながら、ふと、私はずっと気になっていたことを口に出した。


「私、お世話係として雇われましたけど、本当は逆だったんじゃないでしょうか? あまりにもハザマ様がつきまとうので、それを心配したお役目様や惟光(これみつ)さんが、わざわざ御影様のそばに居させてくれたのでは……?」


「やっと気づいた? そうだよ」

御影様はあっさりと頷いた。

「惟光から直接相談があってさ。実際に初音を見たらびっくりしたよ。ハザマの霊体が入り込んでて」


続けて、御影様は真剣なトーンで説明する。


「このままじゃ、霊的に覚醒して……俺らの世界では“めくれる”って言うんだけどさ。見えない世界に引っ張られて、良くない物が見えすぎたり、普通の生活ができなくなると思って。だから結界を張って、奴から引き離した」


私は深く納得した。


「なんとお礼を言っていいか……。自分でも、めくれてきているのは気付いていまして。ワームホール騒ぎの時に、頭の中に鮮明なイメージが湧いて『なんで私、こんな事がわかるんだろう?』って不思議だったんです」


御影様は柔らかく微笑んだ。

「とりあえず、今は現実維持だな。あ、あとメガネ掛けたクソ真面目そうな生き霊が初音に憑いているけど、これは無害そうだから放っておくぞ」


「ああ、湖西(こにし)くんかぁ」

私は思わず苦笑した。


「初音って、意外にモテるな。天然だからかな」


御影様のからかうような言葉に、二人で顔を見合わせて笑い合う。 私たちは、しんしんと降る雪を窓越しに眺めながら、温かいコーヒーをゆっくりと味わった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。