激闘のマリリン その2
36話 激闘のマリリン その2
「あぶないから離れてください!」
いつの間にか警官が来て、拡声器を使い野次馬たちをこの場から離れさせようとしているが、スマホやデジカメで撮影している人、ただ、見ている人、応援する子供、ちょっとヤバそうな裸のおじさん、誰も動こうとは、しない。
カメラを向けられたリポーターが何か実況をしているけど、多分裸のマリリンをテレビには流せないのだろう。
「うわぁーーー」
この絶叫というか叫び声は、その野次馬たちからあがった。
マリリンが締めていた首がもげた。
キメラは、今度は長い尻尾でマリリンの首を締めていた。
ドシンと、マリリンはキメラから落ちた。
「ガンバレ!マリリン!」
子供の声援に応えるようにマリリンは首を締めている尻尾を掴み振り回した。
今度は踏ん張れないキメラが診療所のそばの池に。
あまり深くない池はキメラには水溜りのようだった。締められていたマリリンも一緒に池に。
「ありゃマリリンと怪物の泥レスだな」
「ドクター、マリリン大丈夫ですか?」
「さあわからん。わしでもマリリンの本当の力は把握しておらんのじや」
さっきはマリリンを宇宙人だって言ってたけど、どこまでがホントなの。
このスケベジジイは。やっぱり、マリリンは人造人間の方が正しいのかも。
「わぁー」
キメラが後ろ足で蹴った黒い潰れたクルマが、飛んで野次馬たちの真ん中に。
「だから危ないと、早くここから離れて!」
盾を持った警官もドドッと来た。
上空に新たな自衛隊のヘリが2機飛んでいるが、この人の数じや攻撃は無理だろう。
ブルラララ
ダレ、電話なんて、こんなときに。
あっゴーレムだ。
〘部長たちは今、何処です?〙
「診療所の前、キメラとマリリンが取っ組み合いよ。あんたは?」
〘なんて、うらやまし。ボクは大海田中の避難所です。テレビでそっちの方を〙
「えっテレビで流れてるの?」
〘なんだか、都合の悪いとこがあるので画像は止まった絵で実況だけです。これじゃラジオだ〙
「おい凄いもの見ているなオレたち」
「わしにもその望遠鏡貸しておくれよ。冥土の土産に見ておきたいんじや」
「あいよ、しかし、なんだ雑木林で下の方が見えないんで、裸の女が取っ組み合ってるように見えるな」
「あんたら、こんなとこで」
「かあちゃん、どうした?」
「いつまでたっても避難所に来ないから様子見に帰ってきたの。来てみればベランダで怪獣見学かい」
「いいじゃないか、トキエさん、この子は子供の頃から怪獣映画が好きだったんだよ、本物が見れて嬉しんだよ」
「ああおふくろ俺は今最高に幸せだ。怪獣と女の裸を同時に見てる」
「あきれた親子だよ。貞彦は?」
「診療所の方に怪獣見にガールフレンドたちとな。あいつもやるな、中にすげー美少女がいたぞ」
「大丈夫なの?あっち危ないんじゃないの」
「大丈夫だ、俺の子だ」
「あたしの子でもあるのよ。心配だわ、行ってみる」
「まて、行っちまいやがった。心配性だからなあいつは」
「あんたの嫁さんじゃろ、大丈夫なのかい、追わんでいいのか」
「だな、おふくろ、ここから動くなよ」
「あいよ」
つづく




