お宝とメロンパンと
31話 お宝とメロンパンと
「悪いがキリヤマ隊長。これ、あずかってくれ。欲しがってもマリリンにはやらんでくれ」
「キリヤマ隊長って、誰ですか。あっドクター」
ドクターはあたしにキャスパーの袋を渡し、多田野さんと診療所の中に。
キャスパーの袋の中にはメロンパンが四つとツナマヨパンが。マリリンにやるなって。
雑木林の方にサイレンを鳴らし消防車が何台か行く。パトカーのサイレンも、野外スピーカーからは何度も巨大生物出現、避難と、繰り返してる。
町が騒がしくなってる。
ドーテーんちは大丈夫かしら。
「部長、モモネさんと話しているんですけど、怪獣が出たら、警察と自衛隊、どちらに通報すれば?」
は、何を話してるの。こないだまで中学生だった二人ね、そんなの。
「あんたたち、自衛隊の電話番号知ってる?」
「知りません!」
モモネの房総なまりで二人がハモった。
「そっちの本棚の本を、そこの袋につめてくれ」
ドクターのいう本棚には写真集が並んでいる。コレは書類ではないんでは。
しかし、写真集っていうの、あっコレは無修正の通称裏本というアレではないの。薄い少ページの写真集でも高価な本だ。言われた布袋はすぐにいっぱいに。
確かにコレはドクターの重要書籍だ。
「その袋は、奥にある、ダストシューターに」
「ドクター、コレ、捨てるんですか?」
「捨てるわけなかろう。そのシューターは地下の研究室につながっているんじや。欲しくてもやらんぞ」
なるほど、そういうことに。
「ドクター、こっちの棚のAV女優の写真集は」
「あっソレはダンボールにつめて」
ドクターは引き出しの中の書類を大きなカバンに詰め込んでいる。それは不死身兵士計画の。
さすがやることはやってるのだな。と、ある書類をまとめて大きめのダストボックスに。
「あっソレはドクター?」
「コレはわしのいたずら書きだ」
一枚が入りそびれてこちらに。
その紙にはヌードのデッサンが、アレコレはどこかで。マリリンかな? ドクターはマリリンでヌードデッサンを。
「コラ、見るでない。ソレはマリリンを造る時のデザイン画だ」
「ドクター、プロ並みの画力で。素晴らしい」
「タダドー・ゼンは?」
マリリンが眠気まなこでクルマから降りて来た。寝ていたようだ。多田堂全? 多田野等のことだろう。
「ドクターと診療所へ」
グッゴオゴロゴロ
雷かと、モモネとモデルちゃんは空を見た。
「また、雹が?」
「違うよ。マリリンのお腹の音」
「マシラ、腹が減った」
マシラ? あたしは猿?
どうしよう。このパンはやるなとドクターが。
「トドラ、それ、ドロンパで買ったメロディパンじゃないか?」
猿のつぎは海獣か。もはやナニもかかってない。
「マテラぁパンちょーだい」
やれば出来る子なんだ? でも、ドクターぁ。どうすんの。
ドシン!
わあっなに? キメラがいきなり後ろ足で立ち上がりヘリを触手で捕らえた。その時前足が着地した振動だ。地震かと。
あっヘリが触手で投げられた。
地上で大破。
「きゃあああ」
「いただきます」
その時と同時にマリリンがあたしの手から袋を。
マリリンってこんなに素早く動けたの。
マリリンは袋からメロンパンを取り出し、見たことのない笑顔を見せた。
つづく




