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博士と再び

30話 博士と再び 


 怪物キメラを迂回するような道であの黒い外車が戻って来た。


「君たち無事だったか」

「娘はピンピンしてるよ」

「だから……まあいいです。君たち乗りなさい安全な場所に。あれ、坊っちゃん頭の少年は?」

「ドーテーなら、家に」


 走るクルマの窓から見るとキメラ通った後の平屋の家等が壊れて燃えている場所も。

 あいつは大きな障害物は避けるが、小さな小屋や平屋は平気で壊して進む。


「なんか本格的に怪獣映画みたいになってきましたね。やっぱり正義のヒーローとか来るんですかね」

「そんなの来るならあのマリンパの屋上に来たんじゃないモモネは楽観的だけど、イマイチつめがあまいわ」

「怪獣がいたんだからヒーローもいなきゃ不公平ですよ」


 キメラを迂回した自衛隊ヘリがあたしらの上空に。


〘下のベンツ、これから攻撃をはじめるので速やかに離れなさい〙


「って言ってますけど」

「勝手にやってくれ、我々は診療所に向かいます」

「本気でやる気かな、下にはまだ人が居そうだよ」

「誰か言ってやろうよ。あいつ、人を襲わないって」

「襲わないんですか?」

「多分」


 その時、自衛隊ヘリが来るより前に見た黒いヘリがキメラの触手で落とされた。ヘリは火をふき使われてない田んぼに落ちた。


「あのヘリの人は」

「大丈夫ですよ、彼らはきちんと訓練をつんだ兵士だよ。あの黒いの多分ウチの会社、あ、いゃそんな気がしないでもない」


 完全に自分の会社と言ってる。多田野さんの会社って自動車関係じゃないの。兵士って?


 クルマは大回りして国道沿いから診療所に。こっちにはこんなキレイな道路があったんだ。


 診療所の前に白衣姿の白髪の老人が。

 ドクターフランケンシュタインだ。


「派手にやっとるな。自衛隊が

撃ちおった」


 ドクターは大きな双眼鏡でキメラの方を見ている。


「おう戻ったか、やっぱり娘は心配じゃな」

「やっぱりサオリパパだ!」

「そうです怪獣がいる場所にカワイイ娘さんたちをほおってはおけませんからね……そういう意味ですよお嬢さんたち」


 またいいわけを。しぶといぞサオリパパ。


「ドクター佐藤、お久しぶりです」

「ほお、あんたかキリマンジャロ・マヤちゃん。佐藤いらんよ」

「ドクター、キリマンジャロ・マヤは一つもあってません」


 マリリンにへんなボケを教えてるのドクターじゃないかしら。

 そういえばマリリンは?



「ほお自衛隊もやるな」


 また自衛隊とキメラの戦いを双眼鏡で見出した。ドクターは楽しんでる。


「自衛隊の兵器なんぞ効いてなさそうだな。あのケンタの姐ちゃん。動くたびにゆれる大きなオッパイがたまらんのぉ」


 やっぱりスケベジジイだった。


「顔半分がトホホじゃな。半分は美人なのにもったいない。ヤツを倒したら、わしのとこにもってこんかの。美人の巨獣くらいに造り変えてやるのに」

「ドクター、めったなことを言わんで下さい。無関係者も居るのですから」


 なんかサオリパパがドクターにコソコソと。


「ドクター例のパン買ってきました」


 今度は茶色い袋をドクターに。あれってキャスパーの。

 マリリンたちが駅付近に居たのはキャスパーでメロンパンを。


「ちょと、なんでよまた、あいつこっちに来るよパパ」

「私に言われても……パパじゃないよ」


 自衛隊の攻撃のせいでまたヤツの進行方向が変わった。自衛隊、何やってんの。こっちに来ないでよ。


「あっやられた!」


 自衛隊ヘリの一機が触手に落とされた。

 武器を積んでたせい? 雑木林に落ちて派手に爆発し、雑木林が燃えだした。

 ドーテーんちの方だ。


「なにをやってる自衛隊! 火はヤバい、多田野、こい、重要書類を運び出さにゃ」

               つづく

 



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