部活がない
25話 部活がない
ニュースやワイドショーの大海田の取り上げ方が大きくなった。
人がたくさん亡くなるような大惨事が起きたからだ。
「まるで怪物が町中を歩き回ってるような大袈裟なニュースやってたわね」
「意外と町中は普通にやってますものね」
「モモネのとこは買い出しとかは?」
「ウチは農家たから特に、なにも。水は、井戸だし卵とかは飼ってるニワトリが」
「生活は変わらないけど、町中にまた人が増えたよね。今度は警官とか、警備会社の人とかヘルメットかぶっててヒーロー物のなんとか隊みたいのが」
「相変わらずテレビ局関係も多い」
「あら、ドーテー。掃除終わったの」
「ああ、まったく掃除しに学校行ったみたいだ」
学校は休みにはならないが半日。少ない授業で終わる。
小学生みたいに一人での登下校は禁止。もちろん部活もない。
「先輩たち、いつも仲が良いですね」
ゴーレムがモデルちゃんと現れた。
「いつも? たまたまよ今日は。あたしたちイチャイチャしてるように見えた」
「百音もいるぞ」
「モモネは小さくて見えなかった」
「あんたがデカいんだゴーレム!」
なんだか、外で部員が揃っちゃたわ。
「部長、山本さんと話してたんですけど。レオナルドは、はじめクラゲ状でしたよね。そいつがヤギを襲い牛、豚と。そして屋上に現れたのは黒ヤギのレオナルドから牛鬼かホグジラの化け物になってました。映画の『物体X』みたいだった。あいつは捕食した物と融合し姿を変えるモンスターですよね」
部活がないのでいろいろためてるな、ゴーレム。
「まあ誰が見ても言える事ね、で奴は何処から来てナニをするのかよね。あのまま捕食して大きくなっていくだけなのかしら」
ドーテーが腕くんでアゴをさすりながら。
あんたはどこかの博士か?
「あいつはじめはUFOでしたよね。宇宙生物かも。あの大海田に落ちた隕石に乗って……」
「落ちてから何年たってんのよ。なんでまた今頃」
「堂島先輩の宇宙生物説もありえます。ヤツが微生物レベルの大きさで成長するまで時間がかかったのではないでしょうか」
やっぱりゴーレム楽しそうだな。
「UFOは宇宙から来ているとは限らないわ、未来とか地球内部の隠された世界から来る地底人とか」
モデルちゃんもかなり毒されてるなぁ。
「山本さんから地球空洞説が出るとは。でも、ボクはアレはありえないと」
乗ってきたなゴーレム。
「パラレルワールドって知ってます?」
「平行世界でしよ」
「ええそれから多次元宇宙とか」
「よくアニメとかラノベとかで召喚魔法で別の世界から人だの魔物だの呼ぶじゃない。そういうのね」
「モモネ、なかなか良いね、わかりやすい」
「大田和はダレか魔法使いが、あいつを別世界から召喚したと……」
「なんのために? 大田和」
「あくまで推測です……。あれを呼ぶと儲かるヤツとか」
「マリリンが言ってたスーパーが儲かると」
「部長、スーパーが魔法使うって」
わかってるわ。あくまで言ったのはマリリンよ。
少しまた考え事ポーズをしてドーテーが。
「霧島、この町に魔法使いが居るって聞いたことある?」
「魔法使い? なによソレ この日本の田舎の大海田に魔法使い、なんの冗談よ」
「ホントだって、今田区の田畑の中に大きな洋館あるの知らない?」
「知ってるわよ。あれはあんたの叔父さんの家でしょ。大海田の大立役者と呼ばれた欧米帰りの事業家よね。あの畑の巨大墓石作った人でしょ」
「そうです。ウチのオヤジ、いや父が言ってました。あいつは魔法使いだって」
「それって町で事業に成功したからの魔法使いってことじゃないの」
少し黙ってからドーテーが口をひらいた。
「ボクもはじめは。けど父が言うには、叔父は世界を周っている時に魔術も身につけて帰ってきたと。あの屋敷には不思議な魔術道具がたくさんあると」
ウソではないにしても怪物を召喚するほどの魔法使いって、ありえないでしょう。
「漫画やラノベよ。仮にあんたの叔父さんが、魔法使いだとして大海田に魔物を召喚してなんの得があんのよ?」
いやまてという顔でゴーレムが。
「部長、人の得なんてわかりません、たとへソレが他人には小さなコトでも、その人にはスゴいコトかも。マニアの宝物が他人からゴミだったり」
「わからないでもないけど。多分、ドーテーの叔父さんは魔法グッズの蒐集家かマニアで、お父さんはそれを見せられて言ったんじゃない」
納得したような顔したドーテーだが、ゴーレムは。
「もう一人居るじゃないですか、この町には、魔法使いが」
「だれよ?」
「ドクター佐藤フランケンシュタイン」
「あのね医者を魔法使いっていつの時代。考えすぎよゴーレム」
「ボクは思うんです。フランケンシュタイン博士は本当に科学と医術であの人造人間をつくったのでしょうか。もしかしたら裏で魔道な力も使い」
ちょとまってよゴーレムあんたあの話はフィクションよ。
「ゴーレム、それってドクターがあのフランケンシュタイン博士の子孫だったという場合の話でしょ。それにアレはフィクションだからそんな話ないわよ」
「ですが……ボクの考えで、そんな結論も。ボクもドクターに会ってみたい」
「あの人は普通のおじいちゃんだったよ。ちょっとスケベそうだったけだけど。ハイ、部室外、部活終了!」
と言った時に。
「霧島、出た!」
あたしたちがさっきまで居た学校の校舎の上に黒い四本脚で立つ大きな生物が居た。
つづく




