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白昼の惨劇

21話 白昼の惨劇


 いつもは駐車場の6階の屋上。


 ココにUFOを呼ぶという森野キミ。

 屋上には多く人が集まり3分の2は人だ。


「さあ始めます。ヨーイ」


 番組のデレクターは女性でロングヘアだが濃いグレーのスーツで決めた見るからにキャリアウーマンと言う感じの美人だ。


「キミちゃんいいかな?」

  タンタタタタン


 森野キミは東の大空に右腕を上げ、選手宣誓のような格好で手のひらを開き。


「お願いします。大宇宙よりの友よ我が願いに応えたまえ。今、念を送ります。トッケ・スバ・ツールフ!」


 と最後の呪文みたいなのを何度かくり返しもう一本の腕も上げた。


「トッケ・スパ・ツールフ!」



 三十分を過ぎようかとした時に。


「出た! アレっユーフォーじゃね?」


 いかにもヤンキーぽい金髪の男が森野キミと反対の西陽の激しい空を指さした。


 西陽の中を黒い点がこちらに向かって来るのが見えた。


「アレは!」

「UFOじやねーぞ!」

「レオナルドだ」


 近づくにすれその異様な姿の飛行物体がレオナルドであってUFOじゃないのがわかった。


 奴が今、屋上の上空で停止している。


 大田和ら、カメラを持った人たちが一斉に撮影をはじめた。

 テレビ局のカメラもだ。


 ヤツがグヴォウーッと一声出した。


「逃げたほうがいいぞ! あいつに喰われるぞ!」


 の一声に屋上の皆が、ざわめいた。


「レオナルドって牛とか豚とかしか襲わないんじやなかった?」

「牛や豚食うんなら人間だって」


 ヤツはゆっくり降りてきた。デカいトレーラーくらいはある。


「またいちだんと醜くなりましたね部長。山本さんが居たら『牛鬼』って言いますよ。しかし、アレは角を生やしたホグジラだ」


 後で聞いたのだがホグジラというのは家畜の豚と野生のイノシシが交雑し、まれに成長し巨大化した野生のイノシシだとか。

 正体がしれた珍しいUMAらしい。


「デカい豚ね。こんなの初めて見た」

「モモネ、ただのデカいだけの豚じやないわ、こいつ飛んできたのよ」

「飛べちゃう豚だもんね。ただの豚じやないわ」


 などと話してると。そのなんだかわからないような顔が上がり空に遠吠えをした。


  スグヴィーヴォオオオオ


「これって、まさか。みんなあぶないわ屋根の有る所に!」


 空に黒い雲が現れた。異様な雲だ一雨くる。

ボクらが屋根の下に移動した頃に雨が降り出した。

 まだ撮影をやめない大田和に。


「ゴーレム、何やってんの」

「バカヤローあぶねーんだよ!」


 そこへ黒鉄が現れ大田和の襟首を掴みコチラに引っ張りこんだ。黒鉄だから出来たあの大田和の巨体を。しかし、黒鉄も来てたんだ。


 雨音に固形物の音が交じったかと思えば大粒の雹が降ってきた。


「痛い」

「ひっ」


 頭などに雹が当たり血を流す人も。


 あっという間に屋上は倒れている人だらけに。


 その中でも、ひるまずテレビのスタッフがヘルメットをかぶってあいつを撮影している。

 ブロ根性だ。


 雹がやむと。ヤツが4本の短い太い足で立ち上がった。ぶっとい大蛇のような尻尾が舞い上がり近くの人間を叩き潰した。


「ひゃーグロッ!」

「殺されるぞ、逃げろ!」


 人々が階段出入口に殺到した。


 ヤツの横腹の下あたりから両脇に二本、触手のようなのが出てきて倒れている人間に巻き付き、その巨体に引き寄せ、ぐばっと開いた背中の穴に。


「キモっあいつ背中の穴で人間食ってる」


「コラッAD逃げるな、そこのおまえカメラをフォローしろ!」


 ヤツが動き出し4本の触手で人間を捕獲しだす。やはり人間を襲う危険生物だった。


「あたしじゃない、あたしじゃない。あんなのあたしは呼んでないわ。あたしは遊星ハガル・ナイザキのマテラに交信をしたのに……」 


 ボクのヨコで手で頭をかくしてしゃがみ込んでるのは森野キミ。

 今、マテラと。なんとかっていう遊星にもマテラがいるのか?


「キミーッ、キミはどこ? あっ丹波さんキミ見ませんでした?」


「見てない、あっ」


 丹波ロンが触手に足を捕まれ、ズルズルと。


 そこにあの女デレクターがカメラを回し。


 おい、助けろよ!


「見ろ、コレがプロのテレビマンだサダヒコ。ん、ウーマンか」


 ってオヤジも。


「ウォー。ボクは今、スゴい物を撮ってる」

「ゴーレム、なにヤッてるの人が食べられてるのよ」


 と、マテラが大田和の頭にこぶしを落とした。


「あぶねー。ヤローそこまで来てるぞマテラ!」


 触手を二本の黒い棒で叩き落とした黒鉄はいつの間にか上半身裸だ。


「やるなぁにいちゃん、サダヒコの仲間か」


「誰だ! ドアを閉めた奴は」


「向こうの非常階段を」

「ああ、わかった、オレが援護する!」


「たのむぜ、にいちやん」


 って走り出したオヤジの背に森野キミ。


「なにやってんのドーテー早く」


「あっ、班長!」

「ママ、ドコ?」

「キョーコ、早く逃げろ!」

「マコトが食べられた……アハハハ」


               つづく

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