でっかくなっちゃたんですけど
15話 でっかくなっちゃったんですけど
佐藤診療所。
「貴様、いったい何をしたんじゃ」
「何もしてません」
「何もせんで……」
「私も知りたいですよ。クルマの修理代、いただけるんですかコレ?」
「修理代? 知らんわ」
「あの怪物のせいなら……」
「怪物? べつにそばに居たとか、雹を食ったとかしてはおらんのじゃろ?」
「はぁそうですけど」
「屋根に穴を開けた方が良かったかの」
「いや、ドアはずすだけで……出られるんですから」
「しかし、なんでまたマリリンがこんなに……。出られるじゃろマリリン大丈夫か?」
「グリュッウ!」
「車庫の天井が高くて良かった。三メートル、四メートルまではないだろうが、何か変な物でもマリリンに食わさなかったか?」
「お昼は普通の……。あっ朝、あの短い茶髪でサーファーみたいに日焼けした肌の女子高生が」
「サーファーのJK?」
「じゃなく、ほら日曜日に来てたメガネの」
「歴史研とかいう」
「あの娘が海岸でパンをくれまして」
「パンなど每日食ってるぞ」
「それが珍しいイワシのパンでして。お腹がすいたとマリリンが一つ。私も一ついただきました。アレは美味でした。あっ、私はナニも変ってませんね」
「イワシ食って変わったら大海田は巨人の国じゃ」
「タワシブレッド、おいしかった。グリュッウ!」
「イワシパン……マリリン特有の何かが反応して……。そもそもマリリンは普通の人間じゃないからの、なにが起こるか。魚介類もけっこうとっている。こんなことは一度も……」
「そうですか」
「ああ、そのイワシパンとやらを調べてみるか、それは何処にでも売っているのか?」
「いえ、海地区にあるパンダというパン屋にしかないと」
「パンダ。わしあの店のオヤジ嫌いなんじゃ。昔、患者じゃで来ておっての……」
つづく




